番組制作の能力を他のところに使いたい
――かなり相撲界の内側に入りこんだドキュメンタリー作品だと思ったのですが、もともと相撲はお好きだったんですか。
僕は相撲を欠かさずに見ている相撲マニアというわけではなく、そんなに詳しくもなかった。
TBSでバラエティー番組を作っていて、それこそ細木数子さんやマツコ・デラックスさんといった方たちと人気番組を手がけていた。自分の中ではもうテレビでやりたいことは、やり終えたなという感じがあったんです。自分で言うのもなんですが、番組を当てる技術があって、編集もうまいし、企画を立てるのも得意。そして東京でオリンピックを開催することが決まったときに、この能力を他のところに使いたいというか、オリンピックの年に日本人として日本のために何かやりたいなと思うようになったのです。
――それが相撲のドキュメンタリーだったと。
その時は漠然としていました。ただ、格闘技は好きだったんで、「マツコの知らない世界」の相撲メシの回のゲストとして出演してくれた相撲漫画家の琴剣さんに、朝稽古を見たいと言った。実際に見にいって衝撃を受けたのです。朝から稽古しているからこんな体になるんだとか、強い力士と強くない力士の差はここにあるんだとか、力士は同じ部屋にこういう感じで住んでいるんだとか……。知らないことが多すぎると思ったんです。
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