――確かに「マツコの知らない世界」は、マツコさんの好き嫌いをごまかさずに、マツコさんのリアクションを真っ正面から追っているところがあります。
細木数子さんの番組もドキュメンタリーなんです。ゲストが怒られるんですけど、視聴者は細木数子さんがいつキレるのかな、大丈夫かなと思いながら見ていく。タッキーとくりぃむしちゅーも怒られた人たちを、大丈夫? と見ている。これもドキュメンタリーなんですよ。
まったくそういうふうに見せていませんが、そういうふうに作っているんです。だから無理にBGMとかで盛り上げる必要はなくて、中身をちゃんと構成立てて、面白く作れば見られる。もちろんBGMが必要なときにはつけたりもしますけどね。
海外で勝負したい
――結果としてお金は相当かかりましたが、それこそ海外セールスも期待できる出来となったのではないでしょうか。
もちろん。海外で勝負したいですね。相撲ファンはもちろんですが、ファンじゃない人をいかに相撲ファンにさせるかというのは、自分の中でのミッションでしたからね。
――番付表の説明なども、すごくわかりやすい説明でした。
相撲を知らない人にとっては、番付表もわかりづらいところもあると思うので、ピラミッド状にして説明してみました。よく海外のドキュメンタリーなどを見ていると、映像的にもけっこう遊びたい放題にやっているじゃないですか。そういうところは意識しました。
――確かに海外のドキュメンタリーには遊びの要素は多いですね。
日本のドキュメンタリーは、不正を暴いたり、苦しんでいる真実を描き出す作品とかそういうものばかり。そっちだけにドキュメンタリーを使うのは違う気がしています。今回の映画でやりたかったことは、現実にあることをわかりやすく楽しく伝えたいということだったんです。
――映画を作ってみて、映画の面白さを感じたところはありますか。
大画面と音の迫力は圧倒的ですね。それはテレビとはまったく違います。ただまた相撲を撮れと言われたら、「いやそれはちょっと大変かな」と思いますが(笑)。でも映像を作る技術で、違うことにチャレンジはしていきたいなと思いますね。
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