「社会人の卵」を今の局面で育てる理想的な作戦 「対面かオンラインか」の方法論に終始するな

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コロナが人づくりにもたらしたものとは?(写真:show999/iStock)
資源の少ない日本においては「人材」こそが、最大・最強の資源になる。「企業の発展のために、不可欠だけど、不足している人材」にフォーカスし、日本の若手人材を知り尽くす筆者が、ポストコロナ時代の人づくり最前線を追う連載第2回。

今回は、とくに2020年にその影響が大きかった「新型コロナウイルス感染症」による、人づくりへの影響を探っていきたい。

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まずは、新型コロナの影響により「大学教育」や「若手社員教育」にどんな変化があったのかを見ていきたい。

小中高の教育は対面での授業が再開されているものの、「大学教育」や「若手社員教育」はいまだ多くがオンラインで実施されている。実際に、文部科学省が全国の大学に対して9月に行った「本年度後期の授業で対面・遠隔授業を併用する調査」においても、「ほとんど対面」は2割にとどまり、約7割の大学は、授業の半分以上を、オンラインで実施している。

(外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

感染対策や学生の安全性の観点からも、ポストコロナの人づくりを語るうえで、「対面」か、「オンライン」かという方法論の議論は重要である。無論、実験や実技など、対面という形式をとらないと実施が難しいものはよいとして、論点として大きいのは、専門性の講義やゼミなど、どちらの形式も取りえるものの「実施方法」である。

少人数のゼミだから「対面」というのはあまりに暴論で、「人づくり」を語る以上、大事なのは、人の「何」をつくる=開発するのかという「目的」を問うことである。人材育成におけるフレームは多々ある。連載第1回「『最近の若手』に不満な大人に知ってほしい現実」(2020年9月22日配信)で触れた「志×5徳モデル」もその1つである。ただ、今回は尖った若者育成も含めた、もっと広い「教育」に言及したいため、一般的な育成モデルを採用して論を展開していくことにする。

能力・スキルを理解する、2つの視点

本稿では、能力やスキルは大きく2つに分けて考えていきたい。

1つ目は「テクニカルスキル」である。これはそれぞれの業種や仕事で必要なスキルであり、大学の各学部で学ぶ専門知識もここに含まれる。もう1つが「ポータブルスキル」。業種に関わらず、必要なスキルであり、コミュニケーション能力や論理的思考力などがその代表例である。さらに、ポータブルスキルは、その運用先ごとに「対課題力」「対人力」「対自分力」の3つに分けることが可能となる。

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