「最近の若手」に不満な大人に知ってほしい現実 日本社会の4つの分断に勝つ理想的な人材像

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転換期の今こそ、若手が育つ社会への転換が求められている(写真:metamorworks/iStock)
資源の少ない日本においては「人材」こそが、最大・最強の資源になる。「企業の発展のために、不可欠だけど、不足している人材」にフォーカスし、日本の若手人材を知り尽くす筆者が、ポストコロナ時代の人づくり最前線を追う新連載。

若手は大人の鏡である

「最近の若者は……」と若手をひとくくりにして揶揄する言説を昔からよく見聞きする。

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しかし、「なぜ、若手はそのようになってしまったか?」「若手をどのようにして育てていくのか?」という議論は少ないと感じている。もっと言えば、若手に関わる課題を解決していこうという“当事者的発言”よりも、若手の現状を揶揄する“評論家的発言”が多いのが実態ではないだろうか。

「若手は大人の鏡である」

これが15年にわたり、若手に向き合い続けてきた私の実感である。

若手は驚くほど私たち大人の一挙手一投足をよく見ており、とくに就職活動や社会人になって関わる大人の影響を大きく受けている。では、若手に関わる大人が、その影響を自覚し、自らの言動について検証および改善を続けているかというと、その雲行きは怪しいと言わざるをえない。

「若手」が育つためには、もちろん本人の努力は必要だ。だからといって、その「責任」を「若手」に転嫁するのはあまりに暴論といえる。若手の努力とともに、その若手に関わる「大人の対応」と「育つための環境整備」が大事になると私は考えている。

各成長段階で、若手に関わる大人たちが相互に連携して、その育成に関わることができているだろうか。15年間、大学教育や新卒採用、新入社員を含む若手育成に関わってきた結論としては、「否」である。

その問題構造は“4つの分断”にある。具体的には、①高校と大学の分断、②大学と企業の分断、③採用と育成の分断、④人事と職場の分断である。

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