「最近の若手」に不満な大人に知ってほしい現実 日本社会の4つの分断に勝つ理想的な人材像

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1つひとつポイントを簡単に述べよう。

高校と大学では「学びの構造」が異なる。高校では、授業の選択の自由がほとんどないが、大学では自らの意志で選択しなければならない。しかし、「何のために大学に行くのか」という目的が曖昧なまま、「入学のしやすさ」「偏差値の高さ」などの要因で大学を選択してしまう。その結果、入学後、大学の学びに対してモチベーションが高まらない(①高校と大学の分断)。

社会環境は刻々と変化している。さらに、その変化は、新型コロナの影響で大きくなっている。当然、そこで求められる資質や能力も変化する。ただ、企業と大学のコミュニケーションが基本的に断絶しているため、有効な連携ができていない。その結果、「大学が育もうとしていること」と「企業が求めていること」のギャップが拡大している(②大学と企業の分断)。

社会人の基礎をつくる期間に生じるロス

企業においては、「採用担当」と「育成担当」が分かれている。採用時の情報が適切に育成側に引き継がれていないケースが多い。その結果、大学時代に高めた「能力」や本人の「志向性」を無視した配属が一部行われ、若手のモチベーションを大きく下げている(③採用と育成の分断)。

最後に、採用・育成を含む人事の育成方針と、現場での育成方針のズレから、若手に対する育成施策に一貫性を欠くケースが多い。例えば、採用・育成では「主体的に考えること」が求められたが、実際に現場では「言われたことをやれ」というマネジメントが横行する。そこに若手も適応し、結果として、指示待ち型の若手社員が量産される(④人事と職場の分断)。

つまり、日本では、社会人としての基礎を創り上げるうえで、最も重要な7年間(大学4年間+入社3年間)に関わる大人たちが個別最適に行動した結果、分断の溝を広げ、大きな社会的ロスが生まれているのである。

この「分断の現実」を直視し、大人たちには評論家的な発言を繰り返すのではなく、当事者意識を持ち、課題解決に向けて具体的に行動していくことが求められるだろう。

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