新人の指導は、悩まず「10秒」で十分な理由 「元ソフトバンク」人材育成の「匠」の質問術
育成よりも、短期的な成果の創出に直面する指導者
私は、ソフトバンクに約10年在籍していた際、新入社員(以下、新人)の育成や新人を育てるエルダー(メンター)育成に深く関わってきました。その後、独立起業し、さまざまな業種の企業で、新人研修やOJTトレーナー研修の実施を通じて、2万人を超える新人やその指導者と接してきました。
これらの経験を通じてわかったことがあります。まず、新人視点で申しますと、新人は、自身が2年目になると、急に“もう2年目なのだから”と先輩に見放され、一人で業務を進めることに大きな不安を感じることが多いことです。1年目の新人のうちに、自分の頭で考えて行動するように促されることが少なかったことがうかがえます。
一方で、新人を育てる指導者視点で申しますと、彼らは大きく2つのモヤモヤを感じています。1つ目のモヤモヤは、「忙しすぎて、教える暇なんてない!! 」という気持ちです。指導者の皆さんは、“育成しなくては!”と頭ではわかっているものの、忙しいうえに、求められる自身の成果目標も高く、正直、目の前の業務に必死で育成どころではない状況が多いのです。
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