新人の指導は、悩まず「10秒」で十分な理由

「元ソフトバンク」人材育成の「匠」の質問術

もう1つのモヤモヤは、「もっと自分の頭で考えて行動してほしい!!」というものです。
多くの指導者は、新人にもっと主体的に動いてほしいと思いつつも、いつも指示命令ばかりしてしまいます。

それは、結果として、指示がないと動けない新人を育ててしまっていることになるのです。自ら考えさせることをせずに、主体的に行動する新人を育てることはできないのです。

また、ついつい忙しくて、仕事を丸投げしてしまう場合も同様です。仕事を丸投げされた新人は当然ですが、困惑するばかりで、落ち着いて考えることができなくなります。

教える時間を減らせば、部下の成長速度が速まるワケ

では、「忙しくて教える時間がない」「でも、早く自分で考えて行動できる部下に成長してほしい」というこの悩み、どう解決したらよいのでしょうか?

それは「教える時間を短くする」ことです。より正確に言うと、教える機会は減らさずに(むしろ増やして)、質問を通じて考えさせることで1回の指導時間を極力短く済ませるのです。

部下を成長させて戦力になってもらうには、その都度ある程度の時間をとって懇切丁寧に指導することが必要だと思われがちですが、そうではありません。また、会議室で1on1をする余裕がなくても問題ありません。

日々の新人との会話の中で、ちょっとした質問を投げかけ、考えさせることが大切です。お互い構えた環境ではなく、通常の会話の延長線上で、短く、良質な問いを投げかけることで、指導者は育成時間を削減しながら、新人の主体性を高めていくことができるのです。

ここで問題です。質問を投げかけ、新人に考えさせることに、どれくらいの時間が必要でしょうか? 3分? 1分? そんなにかかりません。10秒もあれば十分です。

例えば、指導者であるあなたが、新人に同行営業を依頼され、商談時間の1分前にお客様先に着いたシーンで考えてみたいと思います。

ロビーのソファで新人とあなたが2人で座って、担当者が姿を現すのを待っています。その1分もない短い時間で、商談をよりよいものにするために、あなたは新人にどんな言葉を投げかけることができるでしょうか?

次ページ時短質問を活用した10秒トレーニングの事例
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