「最近の若手」に不満な大人に知ってほしい現実 日本社会の4つの分断に勝つ理想的な人材像

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社会で求められる人材は実に多様だ。野球でも長距離型の4番バッターだけではチームは強くならない。では、ポストコロナ時代において、どのような若手を育んでいけばよいのか。

企業では、「変革人材」「タレント人材」「幹部候補人材」「尖った人材」などさまざまな言い方がされている。拙著『エッジソン・マネジメント』でも詳しく解説しているが、私自身はこれからの時代に必要なのは「目的にトガった人材=エッジのたった人材 (パーソン)=エッジソン」だと定義している。

一般的に「トガった人材」という表現から連想されるのは、AIやプログラミングなどの「専門性」の高い人材ではないだろうか。近年の「ジョブ型採用」の議論をみても、ポストコロナ時代において、「専門性」の尖った人材がさらに求められることに異論はない。

ただ、多くの企業と長年議論をする中で、「トガった人材」には、もう1つの「流れ」があることに気づいた。それは、SDGsなどの「社会課題」と「専門性」を結び付け、「目的」というビジョンを示し、社内外を巻き込み、失敗を恐れず挑戦をし続けられる人材である。

理想的な人材に求められるのは?

私がその「人材」の要件について、数年にわたり業界を超えて、さまざまな企業と議論をし、試行錯誤をし、整理した結果、「志×五徳の五角錐人材モデル」が理想的だという結論に行き着いた。以下に図とともに示そう。

(出所)『エッジソン・マネジメント』(PHP研究所)

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

:自ら学び、自ら問い、自ら答える力
:多様な価値観を受け入れ、その違いを乗り越える力
:自ら機会を創り出し、挑戦する力
:人として、当たり前のことを当たり前にやる力
:長期にわたって逃げずにやり抜く力

平面的に能力を5つの要素に分けるだけでなく、「志」という方向性を加えて立体的に五角錐をイメージした。底面積(5徳)に高さ(志)をかけ、体積が大きくなるような人材が理想的だ。

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