新型コロナウイルスの感染拡大による影響が経済界に広がる中で、2021年卒の就活戦線が過去に例のないほど混沌とした状況に陥っている。
コロナショックは、採用広報活動解禁日であり、リクナビ、マイナビなどの就職ナビがオープンする3月1日の直前に襲ってきた。いま、どのような混乱が起きているのか? 今後、何が問題となるのか?
いかにも「コロナで苦しむ就活生」という光景をメディアは追いたいのだろうが、実はこのあたりは交通整理しなくてはならない。コロナ問題の影響が大きい学生と、そうではない学生がいるからだ。
コロナで何が困るのか?
いま、起きていることと、これから起こることを以下に整理してみよう。
1. 就職情報会社などが主催する合同企業説明会の中止
2. 各社の個別企業説明会の中止、延期
3. 説明会や選考をウェブに切り替えて実施する動き
4. 大学への登校自粛によるキャリアセンターのパフォーマンス低下
5. OB・OG訪問の停滞
6. 企業による内定者フォローのパフォーマンス低下
7. 採用人数、時期など採用計画そのものの見直し
これらが現在、起こっていること、今後起こりうることである。
メディアでよく取り上げられるのは、合同企業説明会の中止などである。確かに、就活とコロナウイルスに関して、一気に風向きが変わったのは、リクルートが合同企業説明会の中止を発表した2月20日だ。リクルートキャリアが運営する『リクナビ2021』の合同企業説明会について、2月の一部日程と、3月のすべての日程について中止すると発表した。
リクルートキャリアの2月20日付リリースには「各会場にて現状取りうる対策を行ったとしても、拡大する新型コロナウイルスの感染リスクを防ぎきれないと判断し、学生の皆さまの健康や安全面などを第一に考え、3月の開催を取りやめることといたします」とある。マイナビなど他社が追随するまでにはやや時間がかかったが、合同企業説明会のスケジュールは次々に消えていった。
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