希望する相手とは、お見合いができない。また、コロナで婚活することを会社から制限される。そんな悪循環が彼女をますますいら立たせているのがわかった。
結局、その2つのお見合いは、返事をしないままに流してしまった。
5月に入って緊急事態宣言が明け、満江は年下の1000万円以上の男性6人にお申し込みをかけた。しかし、OKの返事は1件ももらえず、「ここには、私が結婚したいと思う男性はいませんでした」という言葉を残して、6月の末に私の相談所を退会していった。
婚活をして結婚するというのは、どういうことか
選べる相手はサイトの中に無数にいるし、お見合いの申し込みをかけるのは自由だ。
しかし、選ばれるよりも選ぶことばかりを考え、相手への理想を高く掲げていると、結婚にはたどり着かない。
50歳で私の相談所に入り、「子どもが欲しい」と言って、30代の女性にばかりお申込をかけている男性がいる。あれから3年が経ち53歳になったが、今も婚活真っただ中だ。昨年あたりから、女性の年齢を42歳まで引き上げたが、それでも結婚する相手にめぐり逢えずにいる。
出会いを放棄したら結婚はできないのだから、会い続けることが大事なのは言うまでもない。しかし、お見合いできたとしても、相手の気持ちをこちらに向けることができなければ、結婚にはたどり着けない。
男女ともに、“子どもが欲しい”という思いが、相手の年齢に制限をかけ、それが婚活を難しくしている。また、年収の高い女性は、年収の低い男性を選ばない傾向にあるのも婚活をこじらせている。
ただ、今の社会の中では結婚することが“人生における絶対的な価値”ではないので、自分が掲げている条件を取り下げて、妥協して結婚していくこともほぼ無理な話なのだろう。
婚活はしてみたが、理想の相手には出会えず、満江のように婚活市場から去っていくのも、個人の選択なのかもしれない。
今、なぜ自分が結婚をしたいのか。婚活に苦戦している婚活者は、今一度原点に立ち返って考えてみてほしい。
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