私は、満江に言った。
「面談のときにもお話ししたと思います。高学歴、高収入の女性が、歳の近いご自身と同じくらいの年収の男性とお見合いするのは非常に難しいんです」
そもそも年収1000万円稼いでいる人は、日本全体の6%弱しかいない。その中には既婚者も含まれているから、独身者はもっと少ないパーセンテージになる。また、アラフォーで年収1000万円前後の男性は、20代後半、もしくは30代前半の女性と結婚したがっている。
「女性は歳を重ねるほどに、歳の近い男性と結婚をしたいと思っていますよね。それは、満江さんのように子どもを望んでいるからです。“働き手になる男性は少しでも若いほうがいい”という。でも男性は男性で、歳を重ねるほどに若い女性と結婚したがるんですよ。
アラフォー男性で、年収が1000万円近くあったら、20代後半か30代前半にお申し込みをかけますし、またその年齢層の女性とお見合いできます。40代後半、50代、60代の男性でも年収がいいと、10歳、15歳、20歳下の女性とお見合いしたがる。それもこれもやっぱりみなさん、子どもが欲しいからなんですね」
こうして、お互いに求めるベクトルが、きれいにすれ違ってしまう。
条件にこだわらず興味を引かれる人に会ってみては
以前、私の会員だった47歳の男性に、48歳の女性がお申し込みをかけてきたことがある。そのとき、彼がこんなことを言った。
「48歳? 話になりませんね」
これが25歳の男性と26歳の女性なら、結婚は十分にありうる話なのだ。
「お見合いを受けたい男性がいない」という満江に、こんな話をしながら、「40歳でも見た目や考え方が老成している人がいますし、50代でも見た目や考え方が若々しい人はいますよ。年齢や年収にばかりこだわるのではなく、興味を引かれる人がいたらお会いしてみたらどうですか?」と勧めた。
しかし、満江はけんもほろろだった。
「興味を引かれる方は、1人もいらっしゃいませんでした」
さらに、こんなことを言った。
「婚活における自分の立ち位置は薄々わかっていましたけど、こんなに市場価値が低いとは思いませんでした」
やる気満々だった人が出鼻をくじかれると、素直に取り組んでいた気持ちがどんどん萎えてしまう。ことに、これまでの人生を自分の力で切り開いてきたタイプの人は、努力ではどうにもならない婚活の理不尽さに、気持ちも後ろを向いてしまうのだ。
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