コロナ対策、「わかってきたこと」と今後の展望 公衆衛生の専門家が教える「この冬への備え」

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この冬に向けた、新型コロナウイルス感染防止策、引き続き心がけるべきことをご紹介します(写真:ロイター/アフロ)
今年の初頭から始まった新型コロナウイルスの蔓延も、はや半年以上が過ぎ、その特徴がだんだんとわかってきて、感染防止策も確立しつつあります。
しかし、ワクチンが実用化するまでにはまだまだ時間がかかりそうであり、この冬はワクチンなしで、徹底した感染防止策で乗り切らねばなりません。
冬は、風邪やインフルエンザにかかる人も多くなるため、今からしっかりと対策を立てておかないと混乱を起こしてしまう可能性が高くなってしまいます。
『企業のための新型コロナウイルス対策マニュアル』を記した著者が、われわれが引き続き心がけるべきこと、そして、この冬に向けた対応策などについてご紹介します。

感染の広がり方がだんだん見えてきた

新型コロナウイルスについて、われわれはすでにいろいろなことを学びました。

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基本的には、飛沫感染のほうが多く、一部に接触感染も起きています。

そして、マイクロ飛沫感染という感染様式の存在も日本では早くから認識されており、3密という場においては、換気の重要性が提言されていました。飛沫の小さなものが空気中を浮遊して、2メートル以上の間隔を空けていても、空調などを通じ同じ部屋の人に感染が広がった事例が報告されています。

マイクロ飛沫感染はどこでも起きているわけではありません。大きな声を出したり、歌ったりするような場所で発生していると考えられています。普通のオフィスなどのような場所で、あまり大きな声で話をしない状況では、マイクロ飛沫感染は起きていませんが、念のためオフィスでも適宜、換気をすることを推奨します。

今年3月にはすでにわかっていたのですが、日本では10人の感染者のうち、ほかの人に感染させているのは約2人です。この数値には、ウイルスの特性による感染の広がりやすさだけでなく、人と人との関係性や距離感なども関係します。密な関係が多い、マスクが嫌い、といった生活スタイルの国では、より多くの人に感染させている可能性はあります。

また、残念ながら、重症化の程度を見ていますと、インフルエンザや風邪よりもコロナのほうが高いことがわかっています。とくに60歳以上の高齢者は重症化のリスクが高く、死亡に至らないまでも重い後遺症が生じる事例も報告されています。

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