今年の3~5月にかけての新型コロナウイルスの流行においては、緊急事態宣言という大きなカードを切ることにはなりましたが、多くの企業や個人の努力により、国内での感染者数を一旦は抑え込むことに成功しました。しかし、今は再び感染者が増えている状況にあります。
最近さかんに報道されているように、接待を伴う飲食、懇親会、パーティーなど、いわゆる3密+α(飲酒や食事、声を出す場所)が、(見える範囲での)感染の中心となっています。
また、東京での大きなイベントの開催におけるクラスターの発生は、地方にも波及しており、体制が脆弱な場所ではさまざまな影響を受けているのではないかと大変危惧しています。すなわち、家庭内、医療機関、高齢者施設において感染が徐々に広がりつつあるのではないかということです。
私は、この感染症との付き合いは長期にわたると考えています。『企業のための新型コロナウイルス対策マニュアル』でご紹介した対策をベースに、今、われわれが心がけるべきことを提言いたします。
「職場内クラスター」を発生させないために
企業においては、職場内での集団感染(クラスター)の発生を予防したいと強く思われていることでしょう。企業における感染対策では、従業員が「特定の多数」と接するのか、「不特定の多数」と接するのかで大きく変わります。
多くの職場は「特定できる多数の人」と接する環境にあると思われます。そういうところで最も留意するべきことは、「体調の悪い人には出勤を控えさせる」ということです。これは本当に徹底しなくてはいけません。このご時世に、発熱や咳があったのに出勤させて、その後感染が広がったとなると、企業のイメージにも大きな影響を与えます。
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