移動スーパー「とくし丸」が脚光を浴びる理由 外出自粛で増える「買い物困難者」を救えるのか
冷蔵庫付きの軽トラックに積み込まれているのは、トイレットペーパーなどの日用品から精肉などの生鮮食品、さらには土用の丑の日のうなぎといった季節商品までと幅広い。商品数は400品目1200点。取り扱われているのは、近隣にあるスーパーの商品と同じものだ。
新型コロナによる外出自粛の広まりを背景に、移動スーパー「とくし丸」が人気を集めている。
顧客の中心は、体力面や交通事情から買い物に行くのが困難な70~90代の人々。週に2回決まったコースを軽トラックで巡回し、固定客の自宅などを訪問する。
コロナ禍で売り上げを維持
とくし丸の1日当たり平均売上高(日販)は約10万円。5月の緊急事態宣言発令中に比べると金額は若干落ちたが、コロナ前の約9万円を今なお上回る。
とくし丸の新宮歩社長は「以前は無理をして買い物に行っていた人も混み合うスーパーに行っていいのかと悩んだり、かつては毎週子どもに買い物を頼んでいた人も、外出を自粛する必要がある中で買い物を頼むわけにもいかずに困ったりしている。こうした顧客はコロナ後も減らない」と語る。
徳島市に本社を置くとくし丸は、食品宅配を行う「オイシックス」などを運営するオイシックス・ラ・大地の子会社だ。とくし丸の前社長で現在は取締役ファウンダーを務める住友達也氏が、自身の母親が買い物に行けずに困っている姿を見て2012年に創業した。2016年5月にオイシックス・ラ・大地の子会社となった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら