旧ダイエー、イオンに改装で赤字拡大のワケ 12月再オープンの旗艦・碑文谷店は大丈夫か
「売り上げを半年で元に戻そうとしたが、1年かかりそうだ」――。イオンで総合スーパー(GMS)事業を担当する岡崎双一執行役は、旧ダイエーの店舗の現状についてそう嘆く。
10月5日、イオンが発表した2017年2月期の中間決算。売上高は4兆1118億円(対前年比370億円増)、営業利益は723億円(対前年比1億円増)と全体では横ばいを維持した。
しかしその内容は楽観できない。食品スーパーや総合金融、ドラッグストア事業は増益だが、主力のGMS事業の低迷が続いているためだ。GMS事業は183億円の赤字で、赤字幅は前期(87億円の赤字)から倍増した。
GMSの既存店は特売を減らすなどして粗利率が改善し、第2四半期(6~8月)から営業黒字に転じた。ただその中でも足を引っ張るのが、旧ダイエーの店舗だ。
特売日の変更が客離れにつながる
イオンは、赤字だったダイエーを2015年1月に完全子会社化。同社の食品スーパーはダイエーとして存続させる一方、GMS店舗を相次いでイオン店舗に改装してきた。商品調達や物流面で規模のメリットを生むことが狙いだったが、改装後の店舗運営に手間取り、かえって赤字幅を拡大してしまった。
改装が客離れにつながった面もある。イオンのプライベートブランドである「トップバリュ」を投入したことで品ぞろえが変わり、特売日もダイエー時代の木曜日から火曜日に変わった。商品管理システムや諸制度の変更に、現場が対応しきれなかったことも大きい。
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