セブン&アイ、踏み込み不足の「100日プラン」 新基軸はH2Oとの業務提携にとどまる
セブン&アイ・ホールディングスは10月6日、2018年2月期から開始する中期経営計画を発表した。5月に24年間、グループを率いてきた鈴木敏文氏が会長を退任。井阪隆一社長以下、現経営陣は就任から100日をメドに新基軸を打ち出すと表明しており、今回の中計は、いわば100日で編み出した「100日プラン」だ。
「グループの経営をどう舵取りするか。社内外多くの方々の話に耳を傾け、考え抜いてきた」。会見の冒頭、井阪社長はこう述べ中期計画の内容を淡々と説明した。特に中期計画で注目されていたのが、不振が続く百貨店と総合スーパー(GMS)の再建策だ。
H2Oにそごう・西武3店を譲渡
百貨店の再建には1つの新基軸が組み込まれた。関西地区を中心に阪急百貨店や阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとの提携だ。セブン&アイは、グループのそごう・西武が運営するそごう神戸店、西武高槻店、そごう西神店の3店をH2Oに売却する方向で協議を開始した。
「企業価値の向上、持続的成長を考えたときに今のままのグループ形成でいいのか。何度も慎重に検討を重ねた結果、エリアと業態については選択と集中という新しい軸を経営判断に入れていかなくてはいけないという判断に至った」。井阪社長はこう語る。
ただこれだけで百貨店再生はおぼつかない。今年度上半期にあたる2016年3~8月期のそごう・西武の既存店売上高は、前年同期比3.7%のマイナス。西武池袋本店やそごう横浜店など主力旗艦店も売り上げを落としている。
その要因はインバウンド需要の減退に加え、婦人服の低迷が大きい。大丸や松坂屋を運営するJ.フロント リテイリングは婦人服が伸び悩んでいる現状を受け、婦人服の売り場面積を現状より2018年2月期に10%、中期的には30%圧縮する方針を掲げている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら