セブン&アイ、踏み込み不足の「100日プラン」 新基軸はH2Oとの業務提携にとどまる

今回の中期計画では、Jフロントのような既存店のテコ入れ策は何も触れられないまま。さらにそごう・西武には小田原や岡崎、大津など地方の小型店が残っている。今後こうした店をどうするかは明らかにされなかった。
H2Oとの提携ではセブン&アイがH2Oの発行済み株式の3%に相当する約57億円の株式を取得、H2Oも同額のセブン&アイ株を持ち合う。しかしその出資比率はいかにも中途半端だ。H2OはGMSのイズミヤも持つが、会見では百貨店3店の売却交渉とポイントプログラムのほかは、具体的な話は一切出なかった。
ヨーカ堂は”不動産的価値”に着目
イトーヨーカ堂の再建案も満足できる内容とは言いがたい。不採算店閉鎖について、3月に発表された2017年2月期に20店、2020年までに残り20店を閉めるという方針は踏襲した。今回の発表で目新しいのは、立地優位性のある店舗で不動産開発を実施していくという点だ。
「ヨーカ堂にしてもそごう・西武にしても優良な保有資産があり、不動産再生が見込める案件については積極的に再開発を進める。マンションやクリニック、老人ホームや託児所などに食品スーパーを組み合わせた形で再開発していく」(井阪社長)
だが、開発には時間がかかる。会社側の計画では対象となる店舗は67店。そのうち2020年2月期までに見通しが立つのは6店にとどまる。そもそもヨーカ堂の足を引っ張るのは、首都圏以外の店。そうした店舗で開発を進めるのは容易ではない。
さらに業績低迷の最大の要因となっている衣料部門の改善についても具体策が乏しい。井阪社長は「衣料部門からの撤退はない」としながらも、2020年2月期にかけては衣料の売り場面積が15~20%は縮小せざるを得ないという見方を示した。
ただ肝心の商品面をどうしていくのかが、まったく見えない。あくまで自前で衣料を続けるということであれば、仕入れ政策を含めた抜本策がないかぎり、衣料による採算圧迫というトレンドから脱却するのは難しい。
中期経営計画では2020年2月期の目標を営業利益4500億円(2017年2月期は3530億円)、ROE10%(同6.9%)とした。しかしその達成の軸となるのはコンビニ事業であり、新たなグループ経営の骨格が見えたとはいいがたい。
今回の発表では井阪社長が計画を淡々と語る姿が目についた。しかしコンサルタント的発想だけでは、巨大流通グループのかじ取りは難しい。どんな流通グループを目指すのか、井阪社長はもっと自分の言葉で語る必要がある。
(撮影:尾形文繁)
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