セブン改革第1弾、苦境ニッセンは上場廃止へ 西武百貨店2店の閉鎖と希望退職の募集も
社長就任から2カ月、井阪改革の号砲が鳴り響いた――。
井阪隆一社長率いるセブン&アイ・ホールディングスは8月2日、カタログ通販を手掛けるニッセンホールディングスを完全子会社化すると発表した。ニッセンの株主にセブン&アイの株式を割り当てる株式交換を実施する。ニッセンは10月27日に上場廃止となり、セブン&アイ主導での抜本的な改革が実行される。
止血策を講じるが、結果がついてこなかった
ニッセンは同日、2016年12月期の第2四半期の決算を発表した。売上高は576億円(前年同期比27.2%減)、本業の儲けを示す営業損益は51億円の赤字(前年同期は46億円の赤字)。最終損益も46億円の赤字(同39億円の赤字)に陥るなど惨憺たる結果だった。
ニッセンは昨秋に希望退職の募集に踏み切ったのに加え、今年3月には不振が続いた大型家具事業からも撤退するなど、さまざまな止血策を講じてきた。年初からは、「安売り」というイメージを脱却すべく、生地や製法にこだわった高品質商品を投入するなど商品戦略も見直した。
だが、結果がついてこなかった。広告宣伝も積極的に行ったものの、ニッセンの売り上げは今年6月まで17カ月連続のマイナスが続いた。「ユニクロ」に代表されるファストファッションの攻勢のほか、猛暑や暖冬といった気候変動もあり、カタログのようなタイムラグの大きな販売チャネルでは消費者のニーズに対応するのが難しくなっている。
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