机の上でだけ勉強しようとするのではなく、自分の身の回りのことやさまざまなニュースからも何かを学ぼうとする、つまり「日常生活からも学ぼうとする姿勢」を持つこと。「あ、このシェールガスのニュースは、この前地理で学んだ石油の勉強と同じだな」「この台風は地学で学んだとおりの進路だな」というような目線を持てるかどうかで、頭の良さは変わってくるのです。
東大理3に合格する人の勉強法は、その象徴だと言えるのではないでしょうか。
「本番」を徹底的に想定する
次にご紹介したいのは、彼ら彼女らの圧倒的で徹底的な「本番想定力」です。実は、東大理3の合格・不合格を分けているポイントはここなのかもしれません。
「受験勉強というと、多くの学生は364日間の『練習』のほうにばかり気を取られているけれど、実際に一番大切なのはたった1日の『本番』。つまりは、入試当日に結果を出せなければ、何の意味もないんだ」。とある東大医学部生は、そんなふうに語ってくれました。
僕も経験があるのですが、本番でお腹が痛くなったり、気分が悪くなったり、ペンを持つ右手を負傷してしまったり、隣の人の貧乏ゆすりがうるさかったりと、試験には多くのトラブルが付き物です。でも、それを「運が悪かった」と言ってしまっては、ただ不合格になるだけです。
本番の1日に、いかに結果を出すか。彼ら彼女らは、それを徹底的に考え抜くのです。たとえばある人は風邪をひいたときに「しめた。風邪をひいて普段の実力が出せない状況で、どれくらいの結果が残せるのか検証しておこう」と、東大の過去問を解いてみたそうです。またある人は、「右手を負傷してしまったときのために」と、左手で文字を書く訓練をしていたとか。
さらに、これが一番僕が驚いた点なのですが、本番のシミュレーションが本当に緻密なんです。机の大きさや隣の人との距離、本番で使われている紙のサイズ、解答欄の大きさなど、試験会場の状況を徹底的にリサーチして、練習においても「本番と同じサイズの紙」を用意したり、「本番と同じサイズの机」があるところを探したりしているのです。
これはもしかしたら、医者という「あらゆる職業の中で1番、本番で失敗できない職業」を志す人が多いからなのかもしれません。ただ頭がいいだけではなく、プロのアスリート並みに本番をシミュレーションして、本番の1日で結果を出せるように徹底的に対策する。東大理3の人は、この本番対策が緻密なのです。
最後にご紹介するのは、「ライバルを徹底的に意識する」というものです。「ライバルを意識」というと当たり前のように聞こえるかもしれませんが、この方法が特殊なのです。
今回取材に協力してくれた中に、5浪して昨年、東大理3に入った山本赳久さんという方がいます。彼は受験生時代から「阿修羅」という名前でツイッターをやっています。そのフォロワー数はなんと1万5000人以上。彼はこのツイッターを活用しながら勉強していたというのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら