日本最難関「東大理3」の勉強法が本質的すぎた 才能は無理でも「頭の使い方」なら真似できる

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「私は広島県の出身で、東大を目指す受験生なんてほとんど周りにいなかったのですが、ツイッターでは、東大を目指すライバルと簡単に出会うことができました。ツイッターでは自分の成績や、自分がどんな勉強をしたか、自分が苦戦した問題などを投稿する人が多いので、私もライバルの成績や勉強を覗き見したり、ライバルに自分の成績や勉強を見てもらっていました。『ライバルはこんなふうに勉強しているのか』『もっと頑張らなきゃ』というモチベーションにつながったのです」

たしかに現在、勉強記録をツイッターやインスタグラムにあげる人は多く、その中には東大をはじめとする上位の大学を目指す人も少なくありません。というか、東大生ってめちゃくちゃツイッタラーが多いです。

少し前まで、都市部から離れた地域や東大を目指す人が少ない学校では、ライバルを見つけることは難しいとされていました。毎年100人しか合格できない東大理3ともなれば、なおさらです。だから、ツイッターを通していろんなライバルと出会うことができれば、大きなメリットになるのです。

「でも、ライバルを見つけるなんて、そんなに意味があるの?」「ツイッターをやっている時間で勉強したほうがいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。ライバルがいることの効果は絶大なのです。

最高の勉強法は「悔しがる」「恥をかく」ことだ

たとえば今回取材した人の中には、灘高校出身の人もいました。灘高校は、毎年20人以上の東大理3合格者を輩出している超名門校です。

「じゃあ灘高校って、いったい何がすごいの? そんなに素晴らしい教育が行われているの?」と問うと、多くの学生が「もちろん授業はすごいんだけど、一番はやっぱりいいライバルがいることだよ」と言うのです。

東大理3ともなると、目指す人だって少ないです。そんな中で勉強していると、多くの学生は「自分より上の成績」の人に会えなくなってしまいます。そうすると、「こんな感じでいいか」と勉強にも張り合いがなくなってしまうのです。

より上を目指すためには、「あいつはもっとやってる!」「自分よりも努力している奴がいるんだ!」と知ることができたほうがいいのです。

5浪理3の山本さんは、「僕はツイッターを、恥をかくためのツールとして使っていました」と言います。「自分より上の成績の人を知ったり、自分の不甲斐ない成績や勉強を他人に共有して、恥ずかしいと思う。それが原動力になって、より勉強に打ち込めるのです」。

たしかに、自分が間違えて悔しかった問題や恥をかいた問題は、その感情とともに覚えていることが多いです。逆に、「自分が一番だ」と有頂天になったり、「この問題の間違いはケアレスミスだ」と恥ずかしさをごまかしたりすると、成績は伸び悩んでしまいます。「悔しい」「恥ずかしい」と思えるのは、ライバルがいることの大きなメリットだと言えるでしょう。

「『受験は自分との戦いだ』と言う人がいますが、個人的にはあの言葉は好きではありません。もちろんそういう側面があることは否定しませんが、けっきょく受験は他人との戦い。本番や、そこで戦う他人やライバルを意識する中で、自己が成長することもあるのだと思います」

戦いの神である「阿修羅」をツイッターのアカウント名にしている山本さんは、そんなふうに述べていました。

本番を徹底的に意識し、日常のあらゆる場面で研鑽を積むことで結果を得る。この姿勢は、受験や勉強以外でも役立つはずです。皆さんもぜひ、実践してみてはいかがでしょうか?

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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