「駅名の英語表記」はなぜこうもバラバラなのか 「ローマ字表記」が実に多様である深い理由

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筆者の好みとしては「マクロンあり、英語式」がいいですね。でも、「長音記号があるかないかで、英語とローマ字が区別されるのかも」と言っておきながら、これだとまさにローマ字と英語のちゃんぽんになってしまいますが……。でも、やっぱり個人的には、英語の中でもマクロンありにするのが筆者は好きですね。

「上大岡」はどうつづる?

京急線に「上大岡」という駅がありますが、ひらがなで「かみおおおか」と書くとわかるように、母音が連続しています。「大」の「おお」は「お」の長音、最後の「お」は「おか」の初めの音ですね。これを長音なしで表記するとKamiookaとなって、すごく読みづらいです。マクロンをつけてKamiōokaとなっていれば長音の「お」のあとに短い「お」が続くとわかりやすいです。

ちなみに京急線ではKamiōoka、横浜市営地下鉄ではKamiookaとなっているそう。やっぱりマクロンの存在は大きいと思いませんか。Which one do you like better? (皆さんは、どちらのほうがいいですか)。

駅名だけでなく、名前のつづりでも同じですね。「川澄」さんと「川藤」さんも、KawatoKawatōになっていれば区別ができます。KawatohとかKawatouというつづりは、本来ローマ字の表記には存在しないものですが、パスポートでの表記では許容されるものなのだとか……。パスポート用の表記の話になると、さらにややこしいようです。でも、これって、ちゃんと家族で統一しておかないと、海外に行ったときに厄介ですよ。

ただ、日本語をまったく知らない英語話者にしてみると、マクロンつきのアルファベットを使用されても、結局それをどのように発音すればいいのか知らないので、マクロンがついていようがいまいが、正しく発音できないというのが現実でしょう。すると、英語ではマクロンをつける必要がないとなるのも仕方がないのでしょうか。日本語も英語もわかる立場で見ると、マクロンはつけてほしいのですけれど……。

ともあれ、筆者の結論としては、マクロンがついていないものは英語表記、ついているものはローマ字表記と思うことにしようと強引にケリをつけてみました。

納得して帰路につく筆者が京王線に乗ると、車内での電光掲示にはChōfuと、長音記号がついていました。「京王線はローマ字か……」と眺めていると、その後に中国語と韓国語での表示が続くではありませんか。ということは、やっぱりこれは英語のつもり?どうにも一筋縄ではいかぬようですね。

最後に、ご興味のある方のために、「ヘボン式」「日本式」「訓令式」の3つのローマ字表記法で異なる部分を表にしてみました。微妙に修正されたものや亜種や新種のようなものがたくさんあり、それらも同じ名前で呼ばれたりしているので、表にしながらますます混乱してしまったのですが、まずは直音から見てください。間違っていたら申し訳ないです。いや、それほど複雑なルールだということが理解いただけるかと(笑)。

こうしてみると、ふだん目にするのはやはり「ヘボン式」がほとんどのような気がしますね。「日本式」や「訓令式」にはあまりなじみがないですよね。それぞれの方式で、これらを含む単語をローマ字表記にしてみましょう。

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