「駅名の英語表記」はなぜこうもバラバラなのか 「ローマ字表記」が実に多様である深い理由

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「いい」のときには、長音記号をつけずにiiとつづることが多いようです。でも、「ビール」や「シーツ」のような外来語は、なんとなく長音記号のほうがしっくりくる気もしますが、これもiiとつづることが多いのでしょうか。そこまで細かく説明している資料がなく、はっきりとはわかりませんでした。

また、「えい」もē/êではなく、eiとつづることが多いのだとか。「ええ」や外来語の「エー」はē/êで大丈夫なようです。「おお」については、ō/ôが基本ですが語末に来る場合には長音にせずにooとつづるようです。たしかに、最後が「お」のときは伸ばす音という感じではないですもんね。

上記のような例外も多く、こういったところがローマ字を難解にしている原因かもしれませんね。上記の表は、さまざまな資料を参考に、表記ルールを読みながら作ってみたのですが、すでに正しいのかどうか筆者も不安な状態です。ただ、どの方式でも基本的には長音記号を使うことになっているところは確信しました。だとすると、丸ノ内線のTokyoというつづりは、正確には間違いということなのでしょうか。

気になってネットでいろいろな路線の駅名標の写真も検索してみると、東京メトロの駅名標にはマクロンを使用しているものとないものの両方があるよう。都営地下鉄の駅名標でも両方が出てくるのですが、もしかすると古い駅名標と新しい駅名標で表記が異なっているのかもしれません。どこかの時点で長音記号の使用をやめたということでしょうか。新しい駅名標はマクロンがないように見受けました。

また、小田急線や東武線でもマクロンはない様子。西武線や京王線はマクロンつき。各社表記はさまざまですが、そもそもローマ字として長音記号をつけないTokyoというのがありなのかどうか、気になるところです。

いろいろなヘボン式

調べてみると、駅名標は基本的に鉄道掲示規程 (1947年7月26日 達398号)に従って表記されているよう。この規程は「改修ヘボン式」を採用しているとのことですが、「改修ヘボン式」って何?

ヘボン式は1867年(慶応3年)に「和英語林集成」の第1版で公表されたもの、それに修正が加えられて1886年(明治19年)の第3版で発表されたもの、その後1908年(明治41年)にローマ字ひろめ会という団体が「和英語林集成」第3版の表記に修正を加えたもの、それから1954年(昭和29年)に研究社の『新和英大辞典』第3版で修正が加えられたものの4つがあるようです。ひと口に「ヘボン式」と言ってもバリエーションがあるのですね。

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