百貨店で化粧品を買う女子を狙う新しい流通

コロナ禍で美容部員の働く場が変わっている

さらにゴールデンウィーク中にはWeb会議ツールのZoomを用いた、オンライン上での「対面」接客も行った。「最初はお客様も緊張をしていた様子だったが、会話が弾むにつれて、積極的な質問が出たり、子供がいるお客様からは『子供がいると店頭に行けないので、とてもうれしい』という声も聞こえてきた」(同社広報担当)。今回は期間限定の試みだが、今後の追加実施も検討している。

他方で会社に所属していない派遣や個人事業主などの美容部員は、仕事を失ったり、派遣会社から保証を受けているものの休職状態という人も多く、深刻な状況にある。そうした中で、元美容部員のユーチューバー、和田さん。とPR事業などを手がける RooMooNは、美容部員を支援する取り組み「オンラインBAプロジェクト produced by 元美容部員 和田さん。」を始めた。

このプロジェクトでは和田さん。はプロデューサーとなり、美容部員がお客へのカウンセリングを行う。Zoomを使用しての1対1でのカウンセリング(40分想定)や、Zoomでのセミナー(30分想定)などを計画しており、特定ブランドに限らず、客が所有するコスメを使用して美容の知識も伝えていくという。

【2020年5月24日15時50分追記】初出時、プロジェクトの企画と運営主体について誤りがありましたので、上記のように修正しました。

コロナ収束後も美容部員の働き方が鍵に

実は美容部員によるデジタルツールを活用した接客の普及は、これまで容易でなかった。近年は各百貨店で化粧品売り場の拡張が相次ぎ、ブランド側も対面による消費者とのコミュニケーションを重視してきた。そのため、あくまでもデジタル施策は店舗に招くための一環として位置付けられていたのだ。

ただし、新型コロナの影響で、店舗の再開後も近距離での接客や肌に触れられる行為をためらう客も少なからずいるのが現状だ。実際にこれまで資生堂や日本ロレアル、カネボウ化粧品の美容部員に感染者が出ており、すぐにこれまでのような接客に戻るのは現実的ではなく、前述のような新たな形での対応が求められることになりそうだ。

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