資生堂が400億円かけた「横浜新研究所」の正体

カフェやスタジオ、化粧品売り場も併設する

キャンプをモチーフにした、フリースペース。研究員たちのアイデアが日々繰り出される(記者撮影)

ランドマークタワーや、赤レンガ倉庫など数多くの観光スポットを有する、横浜みなとみらい。この地に資生堂は4月、研究開発拠点となる「資生堂グローバルイノベーションセンター」を稼働させた。

グローバルイノベーションセンターへの投資金額は400億円超。資生堂の魚谷雅彦社長は「世界のさまざまな企業とオープンに連携しながら、ここから新しい商品の開発を行っていきたい」と意気込む。

施設内は地上16階・地下1階建て。3階以上がオフィスフロアになっている一方で、1階と2階は一般人にも開放。1階と2階を合わせて「S/PARK(エスパーク)」と名付け、4月13日からカフェやスタジオなどを併設する複合施設として運営を始めている。

コスメ売り場に研究員の知見をフル活用

1階に入ってまず目にとまるのが、化粧水や乳液が並べられたバーカウンター、「S/PARK Beauty Bar(エスパークビューティーバー)」 だ。ここで来場者は自分専用の化粧水と乳液を作ることができる。オリジナルコスメは出来上がりから発送まで、だいたい1週間から10日ほど。料金は化粧水と乳液、送料なども含めて1万2000円(税抜き)だ。

エスパークビューティーバーと、その横にある実験室(記者撮影)

エスパークビューティーバーでは同施設の研究員と美容部員が、来場者の肌分析とカウンセリングを行う。その後カウンセリング内容がコスメ売り場のすぐ隣にあるガラス張りの実験室に送られ、研究員によって来場者に合った化粧水や乳液の調合が行われる。ここは、研究員にとっても、直に消費者と交流することのできる貴重な場となっている。

1階のフロアをさらに奥に進むと、スポーツウェアを着た女性たちがスタジオ内でヨガを体験していた。ここでは研究員と専門の先生が開発した、オリジナルプログラムが実施されている。

また、資生堂の女子陸上競技部に所属していた元選手たちと一緒に、研究所の周辺を走るランニングプログラムも用意。スポーツを楽しんだ後に、利用者はスタジオの隣にあるシャワールームや更衣室で資生堂のスキンケア製品などを利用することができる。同スタジオの白土真紀マネージャーは「みなとみらい周辺で働くビジネスマンの囲い込みをまずは狙っていきたい」と話す。

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