「販売員」が足りない!化粧品業界の深刻問題 華やかな印象だが、内情はイメージと程遠い
「いくら募集をかけても、美容部員が足りない」。化粧品の業界関係者たちは口々にそう語る。
化粧品業界は今、空前の好景気に沸いている。中国人訪日客による高価格帯化粧品の購買が広がり、大手化粧品メーカーは軒並み増収増益を達成。経済産業省の生産動態統計によれば、2017年の化粧品市場は1兆6325億円(前年比約7%増)と、右肩上がりの成長が続く。
特殊な職場環境
そんな中、ある問題が深刻化している。店頭で接客し、化粧品を販売する美容部員が足りていないのだ。厚生労働省が発表した今年8月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同水準の1.63倍で44年ぶりの高水準だった。一方、美容部員の求人倍率は1.67倍とこれをやや上回っている(美容部員の人材派遣会社アイスタイルキャリア調べ)。
背景にあるのが店頭販売の強化だ。従来は通信販売のみ行っていた化粧品メーカーが、インバウンドの増加で店頭販売を始める動きを加速。美容部員を必要とするブランド数が拡大した。さらに、中国語などの通訳ができる美容部員が不足する事態も起きている。
職場環境も影響しているようだ。6年間、外資系ブランドの美容部員として働いたある女性は昨年末に退職した。「基本的にずっと立ち仕事。残業がない日なんてほぼなく、生活に占める仕事の割合があまりにも大きすぎた」。
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