「販売員」が足りない!化粧品業界の深刻問題 華やかな印象だが、内情はイメージと程遠い

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奪われるのは体力だけではない。「チーフ(店長クラス)と相性が合うかがすべて」と口にするのは現役美容部員の女性だ。売り場によっては、二人体制でシフトを回す場所もある。「気が合わない人とも、日々狭いスペースで長時間ずっと一緒にいなくてはならない。人間関係がこじれて辞めるケースもある」(業界関係者)。

給与水準が見合っていないという声も聞こえてくる。「某有名ブランドの臨時雇用者の月給は15万円にも満たない。そこから税金も引かれるから手取りはわずか。一人暮らしをするにはギリギリだ」(同)。

企業側も働き方を模索

こうした状況に企業側も手をこまぬいているわけではない。コーセーは2014年から臨時雇用者の正社員化に力を入れてきた。2018年3月末時点では、美容部員の約9割を正社員が占める。給与水準の引き上げやボーナスの増額など、待遇をよくすることで定着率の向上につなげた。業界では資生堂やファンケルも正社員化を進めている。

人材派遣会社も人手確保に工夫を凝らす。アイスタイルキャリアを傘下に持つアイスタイルの吉松徹郎社長は「未経験者でも、自分の好きなブランドについてはいくらでも語れるような人材を確保したい」と語る。

たとえば同社が運営する化粧品口コミサイトでは今後、製品写真の隣に「働きたいボタン」を設置する。化粧品に高い関心を持っている人を、美容部員へと引き込むことを狙う。年内にはこうした機能を含め、サイトを刷新する予定だ。

化粧品業界は、当面好調が持続するだろう。美容部員の確保や待遇の改善に加え、業界全体として働きやすい職場環境を作れるかが重要となる。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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