花王が品薄の「消毒液」20倍以上増産を急ぐワケ

外部委託に加えて国内自社工場でも生産する

アルコール消毒液の生産が可能となった花王の和歌山工場(写真:花王提供)

4月9日、花王は新型コロナウイルスの感染予防による需要で品薄となっていたアルコール消毒液の増産を発表した。同社では4月後半から昨年同期比で20倍以上の生産が可能になると言う。増産する商品は家庭向けの「ビオレu 手指の消毒液」と、業務用の「ハンドスキッシュEX」の2種類だ。

花王では今年1月後半から消毒液の大きな需要が発生し、2月から可能な限りでの増産を行ってきたが、それでも供給が追いつかない状態が続いていた。

花王の広報担当者は「感染症予防で需要の大きいハンドソープも増産を繰り返しているが、元々市場が大きかったため増産の体制が比較的整いやすかった。一方で消毒液は家庭での需要がこれまで高くなかったために、生産体制を立てるのに時間を要した」と話す。

まずは病院や介護施設に供給をしていく

これまで花王の消毒液は外部に委託して製造されていた。しかし4月に入り、花王の国内4工場で消毒液製造の許可が行政から下りたこと、また容器メーカーに委託生産していたボトルが自社で一部生産が可能になることなどから、20倍以上の増産が可能になった。製造許可の申請は新型コロナウイルスによる需要が発生してから行ったため、かなりのスピードで許可が出たことになる。

さらに花王の広報担当者は 「4工場では他の製品を製造していたが、その供給にも影響が出ないように工場内で調整がついたこと、また本体とこれまで発売していた付け替えボトルだけではなく、詰め替え用パッケージも作ることで大量生産が可能になった」と話す。また花王ではESG戦略を強化していることから、その一環としても増産を決定したようだ。

この増産で、花王は政府からの要請があった病院や介護施設などに消毒液を供給する。また一般家庭向けの供給も見込む。さらには国外でも消毒液を生産する。まずはドイツで病院などへの寄贈品の生産を行い、各地域にも生産を拡大する方針だ。

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