企業数が減ることと雇用が減ることは別問題
一般的には、企業の倒産が増えると失業者が増えるなど、雇用面に悪い影響が出ると考えられがちです。短期的には、それはありえます。
しかし、実は日本の場合、企業の倒産・清算・廃業による企業数の減少と雇用には、ほとんど関係がないことが明らかになっています。倒産件数のデータには、一般的に言われるほどの意味はなく、もっとその中身に注目しないといけないのです。
実際、1999年から2016年の間に、企業数は126万社も減っているにもかかわらず、就業者数は3万人も増加しています。その後も、就業者数は継続的に増えています。2018年の就業者数は6664万人で、過去最多を記録しました。
日本の大企業と中堅企業を合わせた数はおよそ53万社ですので、仮にこれらがすべて倒産したとしても、126万社には到底およびません。つまり、減った分のほとんどは小規模事業者であったことがわかります。
小規模事業者の平均雇用者数は3.4人なので、1社倒産してもその影響は極めて軽微です。大企業が1社倒産すると平均1307.6人が失業することになりますし、中堅企業でも平均41.1人の雇用者がいるので、影響の大きさは小規模事業者の比ではありません。
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