
危機への強さは「産業構造」に依存する
新型コロナウイルスの問題には、2つの側面があります。医療と経済です。医療面のことは私の専門ではありませんので、本稿では経済の側面からのみ、この問題を解説していきます。
日本政府の対応を見ていると、日本経済の体力に大きな懸念を覚えます。日本は経済をどこまで守れるか、大変心もとない状況なのです。
前回の記事「コロナで露呈した『日本経済の脆弱性』の根因」では、小規模事業者が多くなるほど、有事の際に負のスパイラルに陥りやすいことを説明しました。
小規模事業者は生産性が低く余裕がないため、有事の際に持ちこたえる力にはどうしても乏しくなります。すると必然的に、小規模事業者で働く労働者の比率が高い国ほど、コロナウイルスによる影響は大きくなってしまいます。
そもそも日本には小規模事業者が異常に多く、国全体の生産性を大きく低下させています。その結果、国の財政が弱体化してしまっているので、コロナウイルスの影響で今以上に負担が大きくなっても、財政出動は難しくなります。
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