サービス業は「日本の低生産性」の主犯ではない

「サービスはタダ」と低生産性には関係がない

サービス業の生産性はたしかに低いですが、それは「日本の文化」でも「仕方のないこと」でもない、といいます(撮影:尾形文繁)
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。
退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で、日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析している。
日本企業の「生産性が低い」問題の根源は「規模が小さい企業が多すぎる」産業構造にあることを明らかにした前々回(「日本は生産性が低い」最大の原因は中小企業だ)、中小企業の生産性が低い原因が「大企業による下請けイジメ」ではないことを検証した前回(生産性低迷は「下請けイジメのせい」という誤解)に続き、サービス業の生産性が低い原因を解説してもらう。

サービス業の生産性が低い原因は「国民性」という誤解

本連載でも、また、他のところでも何度も繰り返し紹介していますが、日本の生産性は世界第28位で、先進国の中では最低レベルです。非常に、非常に低い順位です。これは誰が何を言っても否定することのできない、厳然たる事実です。

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なぜ、日本の生産性はここまで低いのでしょうか。

業種別に精査してみると、製造業の生産性は比較的高水準なのですが、サービス業の生産性の低さが壊滅的なのがわかります。ほとんど目を覆いたくなるレベルです。

では、このように製造業とサービス業で生産性に大きな違いが生じていることは、一般的にはどう解釈されているのでしょうか。

まず製造業についてですが、「日本人は技術レベルが高いうえ、手先が器用、かつ勤勉だから高い生産性を生み出せている」という意見をよく耳にします。

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