先日、倒産件数の雇用への影響を過剰評価している記事がありました(中小企業の倒産予測から5/6に緊急事態宣言が終わったとしても恐ろしい結果になる試算で身震いした。)。
この記事によると、中小企業経営者に、新型コロナウイルス感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるかを聞いた結果、「3月末」から「6月末」との回答が計6割に上ったことが、エヌエヌ生命保険(東京)が実施した調査で明らかになったのだそうです(調査は3月下旬時点)。
この記事は、緊急事態宣言がいつまで延びるとどれだけ失業者が出るかを、次のように計算しています。
3月末 25万4000社倒産 229万人失業
4月末 98万社倒産 882万人失業
ここで緊急事態宣言が伸びると
5月末 157万4000社倒産 1426万人失業
さらに緊急事態宣言が1ヶ月延びると
6月末 1915万人失業
倒産による失業者数を過剰評価している
確かに計算上はそうなりますが、この記事を書いた人の見解と私の見解には、大きな違いがあります。その違いとは、この記事では中堅企業と小規模事業者を区別せず、一緒くたに扱っていることです。
5月まで自粛が継続されると、44.0%の中小企業が影響を受けます。中小企業の数は358万社なので、157.4万社が影響を受けることになります。
計算してもらえばわかりますように、乗り切れないと回答した企業の数に、およそ9人をかけて、失業者数を計算しています。9人は中堅企業と小規模事業者を合わせた、中小企業の平均社員数です。
ここに見解の違いの根拠があります。
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