新型コロナウイルス収束のメドが見えず、5月31日まで延長されることになった緊急事態宣言。39県の解除は決定したが、東京をはじめ首都圏においてはまだまだ警戒態勢が続く。
GW明けの5月7日以降、営業を再開する企業や店舗は増えてきているが、コロナ以前の日常に戻れるのはしばらく先になりそうだ。
非日常な状態が続くとすれば、気になるのは「わが家の家計は、これからどうなるのか」だろう。ひとつ言えるのは、コロナ前の常識とは大きく変容する可能性が高いということだ。家計の基本となる「入り」と「出」の変化を予想して、先手を打つ。家計防衛にはその姿勢が欠かせない。
まず、「入り」=収入については、これまでどおりとはいきそうにない。まだコロナ自粛の影響を受けていないように見える企業でも楽観すべきではないだろう。テレワークの普及は歓迎すべきだが、人が家から動かない以上、消費も経済も動きにくい。本来なら大きくヒト・モノ・カネが流れるはずの3月年度末からGWまでを大きく犠牲にしてきた影響が出るのはこれからが本番だろう。
企業の業績悪化は多くの人の収入を直撃するはずで、夏はなんとか凌いでも、冬のボーナスは“厳冬”となるだろう。在宅勤務が続くことにより残業代や通勤手当にも影響が出そうだ。間の悪いことに2020年4月から同一労働同一賃金制度が大企業からスタートし、正社員と非正規社員との不合理な待遇差は禁じられることになった。基準を合わせるために待遇や各手当の見直しが行われるかもしれないし、体力のない企業であればリストラだって視野に入ってくる。
また、主婦が飲食店にパートに出ていた家庭の一部では勤め先の休業などで、すでに収入が減っているはずだ。休校のため、子どもを家において働きに行けない状況が続く可能性もある。コロナ前まで当然だったわが家の収入が変わらず確保できるという前提に立って、今後のライフプランを立てるのは危険だ。世帯収入ありきで住宅ローンを組みマイホームを買おうと考えている人などはとくに、しばらく様子見する勇気を持つべきだと思う。
「出」=支出は、まさに緊急事態で激変
出ていくお金、つまり支出については、まさに激変中だ。LINE Pay提供の「LINE家計簿」ユーザーへのアンケート結果では、新型コロナの影響で「支出が増えている」と答えたのが37%、「今後増えそう」が8%と、あわせて約5割の人が支出増加を感じている。対して、「減っている」「今後減りそう」は合わせて31%と、こちらも一定数はいる。多分、どちらも正しい。増えている支出の実態が、コロナ前とはちょっと異なるからだ。
たとえば、増えた支出は「食費」が最も多く、約7割がそう回答している。当然といえば当然だが、食費自体がコロナ禍のトピックごとに変化していると思う。
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