「WHOを信用できない人」が抱く違和感の正体 「中国寄り発言」からも伺える彼らの胡散臭さ

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しかも現代社会では、これらが一気に広がる可能性がある。交通機関が発達しているからだ。例えばペストは14世紀に流行をはじめ、欧州の人口の3人に1人を死に至らしめたが、日本には上陸しなかった。理由は単純、交通機関が存在しなかったからだ。一方、エボラ出血熱は医師や看護師に感染し、アメリカや欧州でも人を殺めた。新型コロナウイルス感染症は……説明を必要としないだろう。

もう一度言いたい。我々は今さら交通手段を捨て、孤立することはできないからこそ、今後も突然変異したウイルスの猛威にさらされる可能性が大いにある。最悪、ペストのような恐ろしい感染症が世界の人口を激減させる可能性も考えなければいけない。

そんななか、WHOという組織は大丈夫なのだろうか?

エボラ対策も“後手後手”だったWHO

さて、ここからが本題だ。感染症をパンデミックさせないために有効な施策は2つある。1つめは“有効な医薬品の早期開発”だ。これに関しては研究者にエールを送るほかはない。

もう1つは“いかに早い時期にロックダウンを行うか”だ。そして、こちらは大いに問題があった。あまり言われていないが、世界保健機構(WHO)は、今回のコロナだけでなく、エボラ出血熱のときも致命的な誤りを犯していたのだ。

2013年12月6日に2歳の男児が死亡、次いで母と祖母も死亡、この葬儀に他の地域からも人が集まり、参列者を通じてエボラ出血熱は一気に拡大した。

2014年3月25日、ギニア政府はWHOにエボラ出血熱の集団発生を報告し、同じ時期、国際NGOである「国境なき医師団」(MSF)も「地理的な広がりは前例がない」と国際社会へ強い警告を発している。

しかし、WHOは動かなかった。5月にジュネーブで行われたWHO総会では十分な注意喚起を行わず、翌月、危機感を強めた国境なき医師団が「もはや制御できない」とさらなる警鐘を鳴らしても動かず、WHOが国際社会へ向けてPHEIC(=国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)を宣言したのは……なんとギニア政府の報告から5カ月後、8月になってからだったのだ。

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