コロナ騒動でも利益に固執する経営者の危うさ マスクを抱き合わせ販売しても逆効果

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「コロナ騒動」の対応に追われる日本企業。ステークホルダーを念頭にしたとき、新型コロナへはどう対応するべきだろうか(写真:NurPhoto/Getty Images)

新型コロナの拡大で、企業は対応を迫られています。いま早急に必要なのは、従業員の健康・安全の確保と事業の継続。ただ、それだけではありません。従業員・顧客・社会・株主といった企業のステークホルダー(利害関係者)は、今回の新型コロナへの企業の対応を注視しています。

今回は、ステークホルダーを意識した企業の新型コロナへの対応を考えてみましょう。

新型コロナで問われる「企業の姿勢」

今回の事態を受けて、企業には従業員や顧客とどう向き合うのか、経営の基本姿勢が問われる局面が訪れる可能性が高いでしょう。政府がイベントの自粛や小中高校の臨時休校を要請するなどの対応を始めたことで、経済活動が収縮し、景気の悪化に伴って企業業績が悪化する可能性があるからです。

まず従業員が注目しているのは、「人を大切にする経営」の真偽です。日本では「人を大切にする経営」を実践している企業が多いと言われます。従業員の雇用を保証し、家族的な温かい職場を作り、個々に手厚くケアしています。「ES(Employee Satisfaction、従業員満足)」という言葉も市民権を獲得しました。

ただ、掛け声倒れで、実は会社の利益を最優先しているというケースも多く、「きれい事だ」という批判が少なくありません。

今回のコロナ騒動における企業の行動は、駐在員の中国からの帰国や国内従業員の出勤・通勤の取り扱いなど、従業員の安全よりも会社の利益を優先しているのではと疑われるケースが多数見られます。今後は、体力が乏しい中小企業を中心に経営状態が悪化し、従業員のリストラに踏み切るケースが出てくることでしょう。

もちろん、すべてのリストラを否定するわけではありません。ただ、やるべきことをやり切った上でリストラに踏み切るならともかく、ここぞとばかりにリストラするケースもありえます。たとえ新型コロナの危機を乗り切っても、従業員から会社への信頼は決定的に損なわれてしまいます。

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