コロナ騒動でも利益に固執する経営者の危うさ

マスクを抱き合わせ販売しても逆効果

また、「お客様第一」の本気度合いが試されています。多くの日本企業が「お客様第一」を経営理念に掲げ、顧客満足(CS)の向上を目指して事業に取り組んでいます。

しかし、今回、ドラッグストアなど小売業の現場では、マスクの売り惜しみや抱き合わせ販売など、「お客様第一」に反することが横行しています。トイレットペーパーの問題も、企業側に罪はないものの、お客様のことを第一に考えているというなら、もっと積極的に在庫情報などを発信し、消費者に安心してもらう姿勢を示すのが望ましいのです。

ちなみに、抱き合わせ販売で批判を浴びたマツモトキヨシの経営理念は、「1st for you. 私たちは、すべてのお客様のためにまごころをつくします。私たちは、すべてのお客様の美と健康のために奉仕して参ります。私たちは、すべてのお客様にとって、いちばん親切な店を目指します。」とのことです。

こうした言行不一致は、消費者の反感を買い、長い目で見て顧客離れを招くに違いありません。

CSRが「おまけ」になっていないか?

社会との関わりも問われます。企業活動が社会に与える影響が大きくなるにつれて、企業には高度な社会的責任(CSR)が求められるようになっています。近年、大企業を中心に多くの企業が社会貢献を理念に掲げ、着実に社会貢献活動をレベルアップしてきました。

今回の事態に直面し、1月下旬以降、CSRという単語をとんと耳にしなくなりました。「CSRどころじゃない」というのが経営者の本音でしょう。

余裕があったらやる、余裕がないときには放り出す、というのでは、企業として社会と向き合う姿勢の一貫性を疑われます。しょせんはその程度のものだったのか、ということで“おまけ”の位置づけになってしまいます。

CSRというと、企業が社会に対して迷惑をかけていることへの“お詫び”として、利益を犠牲にして環境保護や芸術・スポーツを支援をすることだと考えがちです。それに対し、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、経済的価値と社会的価値を同時に実現するCSV(Creating Shared Value)を提唱しています。

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