ニュージーランド「手厚い」経済支援の中身 対策について国民はどう思っているのか

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処方箋の薬の場合、例えば3カ月分を1度に出してもらえた薬も、今は1カ月ごとにしかもらうことができなくなっている。薬局側は薬の在庫がなくなってしまうことを懸念し、少しずつしか出してくれないらしい。客にしてみれば、何回も足を運ぶことになるので、面倒だ。

今までとはずいぶん違い、不便な点が多い生活だが、興味深いことに人々がそれを苦にしているようには見えない。時間に余裕があると、ケーキなどのお菓子作りをしたり、新しい趣味を見つけたり、庭いじりをしたりと、普段ではできないことができると喜ぶ人さえいる。珍しく家族全員が自宅にそろっていると、家族の時間を楽しんでいるという声もよく聞かれる。

NZ史上最も重要な経済計画を導入

ニュージーランド人は、レベル4下の生活に比較的よく順応し、楽しむ一方で、不安に感じていることもある。それは今後の経済状態だ。リサーチ・ニュージーランドによる、先の調査では、解雇されるのではないか(67%)、住宅ローンや住宅の賃貸料を支払えないのではないか(各64%)、政府の助成金を得られないのではないか(72%)などを危ぶんでいる。前週と比較すると、割合はどれも6~11%も上昇している。

これに応じて、政府は「ニュージーランド史上最も重要な経済計画」といわれる、新型コロナウイルスに対する経済対策を発表している。まず3月17日に最初の121億NZドル(約7850億円)が、その後状況の変化に伴い追加され、以下のようになっている。

<4月14日現在の経済策内容>
●労働者と企業の支援
・80億NZドル(約5190億円)〜120億NZドル(約7780億円) 企業が労働者を引き続き雇い続けるための賃金に使われる補助金
・1億2600万NZドル(約82億円) 感染症や自己隔離などのために働けない人のための賃金になる
・1億NZドル(約65億円)  労働者の配置転換策
・28億NZドル(約1815億円)分の事業税の変更 企業内の現金の流出入にかかる圧力の軽減
・62億5000万NZドル(約4053億円)  中小企業向けのビジネスファイナンス補償制度
・公衆衛生指導に準拠し、仕事を休む、不可欠な労働者のための休暇制度。
●健康
5億NZドル(約324億円)  3月17日に発表済みの国民の健康増進のための費用
●コミュニティーと社会的弱者のための支援
28億NZドル(約1815億円)  収入支援策。週25NZドル(約1600円)の給付の増加や、2020年の冬の光熱費に充てる支援金の倍増を含む
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