日銀がFRBパウエル議長への連帯声明に加わらなかったのは「与えられた独立性」ゆえの必然…独立していなくてもインフレ鎮圧、"おまけ"で悲願実現
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がトランプ政権から理不尽な攻撃を受け、欧州中央銀行(ECB)を筆頭に多くの中銀がパウエル議長とFRBへの連帯を表明する緊急声明を出した。中銀仲間としてFRBの独立性が踏みにじられる事態を見過ごせない、との義憤に駆られたものだ。
ところが、日銀は連帯参加を見送った。海外中銀と肩を組んで戦わない日銀には失望した向きも多いだろう。まさに「独立性の軽さ」(大手運用機関幹部)が浮き彫りとなった。
なぜ、日銀はFRB応援団に不参加なのか。その理由を考察してみたい。
参加するかどうか「政府に相談」との報道も
パウエル議長は1月11日、異例のビデオ声明で、同議長の議会証言に絡んで司法省が刑事訴追する可能性がある、と公表した。具体的には、FRB本部の改修工事に関する証言が刑事捜査の対象となったのだ。
この捜査が、かねてFRBの金融政策を意のままに動かしたいトランプ政権の嫌がらせなのは間違いない。大統領に就任して以降、積極的な利下げを求めるトランプ氏は、利下げに慎重なパウエル議長を盛んにSNSなどで「口撃」したが、ついに刑事捜査を仕掛ける異常な行動に出たわけだ。
FRB議長へのひどい仕打ちに声を上げたのがECBのラガルド総裁で、これに欧州やアジア、南米など多くの中銀が同調。声明は「中銀の独立性は物価、金融、経済が安定するための基盤だ」と指摘。「独立性を守るのは極めて重要で、FRBおよびパウエル議長と完全に連帯する」とアピールした。
当然、主要中銀の一角で、FRBとの関係が深い日銀も入っている、と思うだろう。ところが、日銀の名はなく、「政府と相談」した上での不参加とも報じられた。市場では「政府隷属の強さにがっかりした」(別の運用機関幹部)との声が聞かれた。



















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