ニュージーランド「手厚い」経済支援の中身 対策について国民はどう思っているのか

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同時期に行われた、市場調査会社、コルマー・ブラントンによる調査では、新型コロナウイルスに対する政府の対処を支持すると答えた人は83%。政府に信頼を寄せる人は88%に上った。

同調査によると、政府の対策に沿って生活していると答えた人はなんと92%。学校などの教育機関は休みで、仕事も在宅勤務になっている。外出はスーパーマーケットにたまに買い物に行く時だけ、と対策通りに暮らしているというわけだ。

買い物に行けるのは1世帯につき1人

今や道路を走る車はちらほらある程度だ。頭痛の種だった、朝夕のラッシュはなくなった。目的地に車で行くのに、時間はいつもの半分ほどしかかからない。

店舗もスーパーマーケットや薬局、政府が必要と判断した店以外、すべて閉まっている。これには、テイクアウトの店やカフェからレストランに至るまでの飲食店も含まれる。目抜き通りだというのに車だけでなく、人影もまばらでガランとした印象だ。人の行き来が絶えなかった時と比べると、まるでほかの町を目の前にしているようだ。

食料品などの買い物へは1世帯につき1人、代表者が出かける。スーパーマーケットでは、入店人数制限を行うところもある。店内で客同士が少なくとも2メートルは離れて買い物をしなくてはならないからだ。ほかの客と近づかないようにしながら、必要なものを能率よく買うのはなかなか大変だ。大都市であれば、すぐに入店できず、屋外で2メートルずつ離れて順番を待たなくてはいけないこともある。

さすがに商品棚が空っぽということはなくなったが、若干空きが見られることはある。これは商品を棚に陳列するスタッフの不足が原因だという。レジにも異変が起きている。まるでどこかの審査場のように順番を待つところには、「ここから入らないように」と線が引かれている。

レジ係と客の間には透明なプラスチック製の壁がある。支払いはレジ係が現金に触れずに済むよう、デビットカードで済ませる。トロリーや買い物かごは客が使い終わったその都度、レジ係が消毒剤をスプレーして、ふき取っている。

薬局でも変化が起きている。店舗の規模にもよるが、ほかの客と距離をとらなくてはいけない関係上、1度に入店できるのは1人から数人程度だ。まずは並び、いざ入店という時には、備え付けのハンドサニタイザーで手をきれいにしてから入る。

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