ニュージーランド「手厚い」経済支援の中身 対策について国民はどう思っているのか

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レベル3では、感染が認められるエリアへの移動の制限、感染者を出した学校の休校、集会の禁止、図書館などの公共施設の閉鎖などが行われた。

そして、予定通り3月25日午後11時59分にレベル3に別れを告げ、レベル4に移行。「感染が食い止められていない」状態と判断されるレベル4では、厳しい規制が敷かれた。世帯単位での隔離をはじめ、学校の休校や企業の閉鎖、必需品の配給や施設接収の可能性、人の移動に対する厳重な制限なども含まれる。

特に重要視されているのは隔離だ。食料品や薬の購入に出かける頻度を極力少なくし、散歩などの軽い運動を近所で行う以外は外出をせず、自宅にとどまる。感染を防ぐための最良の策とされている。

また、警戒レベルには入っていないが、水泳やサーフィンなどが禁止になった。これらは負傷者を出しやすいと考えられているアクティビティだ。もし負傷者が出た場合、新型コロナウイルス感染症患者に対応する病院の負担を増やし、キャパシティーを超えてしまうのではないかと危惧されている。

これらの対策は、どれも国民が実践しない限り効果は表れない。そこで政府は「新型コロナウイルスに一丸となって立ち向かおう」という標語を掲げ、国民に協力、そして結束を固めるよう呼びかけている。

7割以上が夜間外出禁止を求めている

レベル4の隔離について、4月上旬に市場調査を手がけるリサーチ・ニュージーランドが調査を行った。すると回答者の多くが、「より長期にわたる隔離をいとわない」と考えていることがわかった。

期間については、「最低2週間、隔離をさらに延長してもいい」と考えている人は60%。夜10時以降の外出禁止を求める人は72%に上った。皆、隔離期間が多少長くても、感染症から完全に解放されるのなら、と覚悟を決めているようだ。

また現在警察の役割は隔離を国民に徹底することに重きが置かれているが、85%の人が警察は隔離を行わないなどの規範を乱す人に対し、より厳しい処分を行うよう希望している。

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