「選ぶ習慣」を身につけると人生の幸福感は増す 会社が全てではない時代のキャリアの探し方

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今後、働き方はグラデーション化していき、たとえ企業に勤めていたとしても、多様な働き方が可能になる。「社員」自体がどんどん曖昧なものになっていき、いよいよ「会社がすべて」ではなくなるのだと思います。

ベターな道を選ぶためにはまず「知る」こと

働き方が多様化することによって重要性が増すのが、「何を選ぶか」です。当社が2017年に行った調査では、フリーランスの幸福度との相関関係が見られたのは、意外なことに報酬や稼働時間ではなく「今の自分がなりたかった自分かどうか」でした。

田中美和(たなか みわ)/Waris代表取締役・共同創業者。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事。1978年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現・日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年Waris設立。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』がある(写真提供:Waris)

つまり、「どうありたいのか」「何を実現したいのか」を前提に、それを実現する方法論の1つとして、働き方を選ぶことで幸福度を高めることができるのです。

その際、「その時々の自分にとって何がいいのか」をアップデートする観点が大切です。20歳と40歳、それぞれの自分にとって大切なものが違うように、ありたい姿や優先順位は変わるもの。

とくに日本の女性は、残念ながら外的環境の影響を受けやすい事実があります。本質的にはキャリア形成においてジェンダーギャップがないのが望ましいのですが、現実問題として、日本ではどうしても女性が育児や介護の担い手になることが多く、パートナーの転勤でキャリア継続を諦めざるをえないケースもある。

だからこそ、その都度ベターな道を選ぶために、まずは選択肢を「知る」のが重要です。

会社員と一言で言っても、正社員、契約社員、派遣社員、アルバイトなど、さまざまなバリエーションがありますし、副業や兼業を認める会社が増えている今、社員でいながらフリーランスとして働いたり、起業したりすることもできます。

また、仕事を離れてから再就職する人もいれば、フリーランスを経験したのち会社員に戻る人もいる。こういったたくさんの選択肢と組み合わせがあっても、そもそも知らなければ選びようがありません。

同時に、さまざまな働き方を実践している人の事例を知るのも大切です。最近ではSNSやブログを通じて個人の方が積極的に体験談を発信していますし、働き方に着目したセミナーも盛んです。どのように働いているのか、どの程度の報酬が得られるのかなど、実例を知ることで勇気づけられることもあると思います。

ただ、たとえ選択肢を知ったとしても、そこから1歩を踏み出すのは難しいものです。どの選択肢がいい、悪いというものではありませんし、自律的に選べる人ばかりでもないと思います。「自分で決めなければ」と考えて、足が止まってしまうこともありますよね。

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