「選ぶ習慣」を身につけると人生の幸福感は増す 会社が全てではない時代のキャリアの探し方

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たとえ子育てなどの事情で思うように動けなかったとしても、つねに全部をやろうとする必要はありません。時には「仕事をしない」という状態を選んだっていい。希少性の高い人材になる近道は経験やスキルを掛け合わせることですが、それは何も実務上のスキルに限りません。子育てや介護といった経験も人材としての深みを増すことにつながります。

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できていないことに罪悪感を持ってしまう女性は非常に多いですし、私自身、子育てしながら仕事をする中で、「今日もこれができなかった」と思ってしまうことは多々あります。

でも、長い人生をトータルで見たときにバランスが取れていればいいんですよね。恥じたり自信をなくしたりするような事柄ではないのだと『ピック・スリー』を読んで改めて思いました。

「毎日3つ選ぶ」うちに自分で選ぶ癖がつく

『ピック・スリー』では「仕事・睡眠・家族・運動・友人」とカテゴライズを明確にし、そこから毎日3つを選ぶことを推奨していますが、「自分の手元にどういうカテゴリーがあるのか」そして「何を大事にしたいのか」をイメージするのはとても大切なんだと思います。

何より、自分で選べば選ぶほど、幸福感は増すそうなんです。国内2万人に対するアンケート調査の結果、所得や学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えることがわかっています。

選んだり決めたりするのが苦手な人も、小さな自己決定経験の積み重ねで“選び上手”になることはできます。「ピック・スリー」のように毎日3つを選ぶこともトレーニングになりますよね。

それこそ「私は選ぶのが苦手だから」と諦めてしまってはもったいない。1日、1週間、1年単位で「何を選ぶか」が人生を形作る大事な要素になります。小さな決断を積み重ねることで“自分で選ぶ癖”をつけて、幸福感の高い人生を歩んでいきましょう。

(構成:天野夏海)

田中 美和 Waris代表取締役・共同創業者

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たなか みわ / Miwa Tanaka

一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事。1978年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌「日経ウーマン」を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年Waris設立。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』がある

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