筋肉体操の谷本先生が教える良い脂肪の取り方

脂肪の使い分けができるかで健康に差が出る

筋肉体操でおなじみの谷本先生が良い脂肪の取り方を伝授します(写真提供:中央公論新社)
国民総肥満、定年延長が叫ばれる昨今、健康管理と継続的な運動を通じ、70歳まで働けるカラダを維持することはもはや義務とも言えそうな状況にある。一方、人気TV番組出演の谷本道哉・近畿大学准教授の著書『新装版 学術的に「正しい」若い体のつくり方-なぜあの人だけが老けないのか?』 によると、「食べて良い脂肪と食べてはいけない脂肪を使い分けられるかどうかで健康に大きな差が生じる」という。

「高脂肪食品は麻薬と類似の作用がある」というモントリオール大学のマウスを用いた研究報告は、世の中に大きな衝撃を与えました。脂肪の高い食事は麻薬と類似した快楽作用を脳に及ぼし、また麻薬と類似した中毒性があるというのです。

 そもそも少ない量で多くのカロリーを持つ脂質は、われわれ動物にとって貴重な栄養素。それだけに体は脂質を強く欲するようにできているのでしょう。

 なお、脂質のカロリー9キロカロリー/gは、糖質、タンパク質の4キロカロリー/gの2倍強程度ですが、これはあくまで乾燥した重量の場合。食品の水分量を考慮するとその差はさらにずっと大きくなります。肉の脂身の水分量は20%程度ですが、主にタンパク質でできた赤身は70~80%が水分、主に糖質でできたご飯などだと60%が水分です。それを考慮すると、同じ量を食べたときの脂質のカロリーは、糖質、タンパク質の2倍どころか4~9倍にもなるわけです。

 ですから、脂質によるカロリー過剰の影響はかなり大きいのです。例えば同じ肉ならほとんどタンパク質のササミは100gで約100キロカロリー。一方で脂質たっぷりのカルビなら100gで500キロカロリーを超えてしまいます。

 脂質は麻薬作用さえある「おいしい」ものですから、人生を豊かにするうえでの大事な栄養素といえますよね。一方で、甘い誘惑に負けて摂りすぎてしまえば、肥満に対しても健康に対しても非常に大きな影響を与えます。上手なつき合い方を考えなければいけません。

高カロリーだけが肥満誘発の理由でない

 脂肪ののった肉汁あふれるステーキ、生クリームたっぷりのケーキなど、脂質の多い食べ物は「太る」というイメージが強いと思います。実際に高脂質食品が太りやすいことは、経験的にも学術的にもわかっています。

 脂質も重要な栄養素。確かに必要ですが、摂りすぎは肥満を誘発します。そして肥満はさまざまな病気のリスクを増加させます。

 高脂質食が肥満を誘発する原因として、前述のとおり同じボリュームを食べたときのカロリーが数倍も高いことが挙げられます。しかし、脂質が肥満を誘発する理由は実は高カロリーだから、だけではないのです。

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