「日雇い労働者の街」でカフェを営む女性の真意 「ゆるすまち、ゆるされるまち」の日常

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仕事と生活の場を釜ヶ崎にして16年。高齢化が進み、顔見知りのおじさんが入退院を繰り返すようになりました。商店街を歩行器を使って歩く人も増えた。観光客も訪れます。実際にこの街に足を運んで、自分で何かを感じてほしい。釜ヶ崎はどんな背景を持つ人も受け入れる街です

釜ヶ崎には簡易宿泊所が多い。宿泊費は1泊500円から。1500円払えば鍵つきの快適な部屋。激安のスーパー玉出では特売品のソーセージやちくわが1円で買えるし、公園で炊き出しもある。保険証がなくても、お金がなくても医療を受けられ、収入がなくても命をつなぐことができる。

帽子に着物姿で自転車にまたがり、商店街を颯爽と走る(写真:週刊女性PRIME)

釜ヶ崎のおじさんを『支援している』と勘違いされることもありますが、私たちの活動は表現活動です。アートは、『支援する・される』という関係を逆転していく。支援する側だった人も学び、生きる力をもらう。関わるすべての人のセルフケアにつながっている。『支援する・される』に閉じ込められるところにこそ、アートは必要やと思います

着物姿に帽子がトレードマークの上田さんは今日も商店街を自転車で颯爽と走る。顔見知りのおっちゃんに「気いつけて帰りや」「またココルーム来てな」と挨拶する。道端でワンカップを飲む男性にも「着物の姉ちゃん、どっかで見たことあるなあ」と声をかけられ、笑顔を返していた。

お盆には毎年恒例の『釜ヶ崎夏祭り』が開催され、釜ヶ崎を去った人たちも楽しみに訪れる。われわれの取材中にも「あばよ」という愛称の男性がココルームのカフェにひょっこり顔を出した。

「さらば、あばよ。夏祭りと越冬で会おう」

「オレはさ、数年前まで釜ヶ崎に6年間住んでたんだ。今じゃ横浜で定職について住む部屋もある。貯金もしてるよ。自分で持ってると使っちゃうから管理してくれる人がいるの。盆と年末には帰ってくるんだ。仲間に会いにね」

釜ヶ崎で生まれたことばを刻みたいと上田さんが読み札をまとめた『釜ヶ崎妖怪かるた』に彼を詠んだ札がある。

「さらば、あばよ。夏祭りと越冬で会おう」

釜ヶ崎の三角公園では、お盆に『夏祭り』、年末年始に『越冬闘争』が行われます。日雇い仕事が減る苦しい時期を、飢えることなく孤独に命を落とすことなく、楽しく過ごせるようにという願いが込められています」(上田さん)

4日間の夏祭り。演芸アワー、スイカ割り、綱引き、すもう大会、盆踊り。安くてうまい屋台が並び、特設ステージで歌やダンスが繰り広げられる。

次ページ滞在中、釜芸のワークショップも行われた
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