欧米夫婦から見た「主張しない日本人」のナゾ 欧州の家族を取材してわかった決定的な違い

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本文で例として出した「自分主語で伝える」、これは改めて考えると個人的にもとても納得できるのです。今までわが家でも、うまく夫に伝わったときは「自分主語」で話していたし、もめたときは「相手主語」で話していたような気も……(思い出していろいろ反省!)。

そして「勝ち負けが目的じゃない」も、とても納得。相手へのイライラがたまっていると、ついつい「相手を言い負かしてやりたい」スイッチが入りがち。それって不毛な結果に終わりがちなんですよね……。

老後に以心伝心で生活できるのを目指すくらいで

もちろん、言葉にせず以心伝心で伝わるならそれがベストです。ただ、すり合わせ事項が山ほどある家庭という場で、最初からそれを求めるのはハードルが高すぎる。とくに、一緒に暮らし始めたとき、育児を始めたときは、伝えすぎなほど伝え合って、そうやってお互いをだんだん知っていき、老後に以心伝心の世界で生活するのを目指すのがスムーズな道じゃないかなと思うのです。

ちなみにわが家は、少しずつよくなりつつも、相変わらず伝え方などは試行錯誤中。今回は改めて「家族がつかれない伝え方」について勉強になったのでした。ああ、コミュニケーションって、奥深い!!

ぜひコメント欄でも、みなさんのご家庭の「家族がつかれない伝え方」も教えていただけるとうれしいです。

というわけで、今回学んだつかれない家族になるヒントは……

パートナーに自分の気持ちが伝わらない

「相手主語」ではなく「自分主語」で話す
お互いの関係をよくするために話すのだという目的を忘れない

次回からは、アイスランド在住のある夫婦の家事育児分担について紹介します。「世界一男女平等」と言われることもあるアイスランドの育児生活の実態は?

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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