さらに、子どもたちに聞いてみると、「気持ちを表現するように」とだけ言われ、テーマの絞り方や、文の構成の仕方までは教えてもらっていないということを直接語ってくれます。このようなことがよくあるため、岩井さんのお子さんは何も特別なケースではなく、よくあるケースなのです。
そこで、今回、作文が嫌いな子でも書ける作文の書き方についてお伝えしますので、ぜひお子さんに伝えてあげてください。この方法を実践した子どもたちから、「作文が楽しくなった」「表彰された」という報告を多数いただいている方法ですので、100%確実に書けるようになるとは言いませんが、ある程度の効果は出ている方法とお考えください。
作文の書き方と一口に言っても、さまざまな作法や指導法があると思いますが、筆者が念頭に置いている方法は、作文が嫌いな子でも、やってみようという気持ちを引き出せる方法にしています。ですから、高度な内容の作文を書くことや、コンクールで入賞されるための書き方というよりは、国語が嫌い、作文が嫌いという子でも、書いてみようと思えるような方法にしています。
手順は次のとおりです。
「作文」をスムーズに書くための3つの手順
テーマが決められているときは、そのテーマの中でさらにテーマを絞ります。例えば、「環境」が決められたテーマであれば、「環境」の中の「分別収集によって資源のリサイクルをすること」とか「プラスチックによる環境問題」というテーマにすることを言います。
自由テーマであれば、「自分が問題に思っていること」「興味があること」「話がしやすいこと」にします。なぜなら、このようなテーマであれば、次々と言葉が出てくるからです。
重要なことは、これらを、まずは口で言わせるということなのです。いきなり書くことは子どもにとってハードルが高いのです。人間は、生まれてから「聞く」「話す」「読む」「書く」の順に技能を獲得してきました。読むと書くは高度な技能なのです。ですから、まずは「質問して口で答える」という形で進めます。そしてその口で語ったことを、「メモ書き」するようにします。メモですので、簡単な箇条書き程度です。
次に、どのように書くかフレームを選択します。フレームとは、次の2つのフレームのどちらかを選びます。実は、このフレームが極めて重要になります。作文を評価する際、作文の内容がとてもすばらしいという部分よりも、どのようなフレームで構成されているかという方が、評価しやすいのです。
意外な視点で書かれた文章もすばらしいですが、そのような高度な内容の作文をいきなり書くことは難しく、それよりも、きっちりとしたフレームの中で書かれた文章の方が美しく、読み手も読みやすいものです。しかも、次の2つのフレームは、文章の2大パターンそのものなのです。このパターンに沿って書くことによって国語力向上にもつながることでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら