「男性社会」と思われていた日本プロゴルフ協会(PGA)に、女性会員が誕生するかもしれない。8月6、7日に群馬・サンコー72カントリークラブで「ティーチングプロB級実技審査」が行われる。今年、女性7人が初めてこのテストにエントリーしている。
「ティーチングプロ(TCP)」とはPGAが認定するプロゴルファー資格2種類の1つであり、ゴルフ指導技術に優れ、広範にわたるゴルフ知識およびPGA指導要領を取得した者に付与される。ゴルフのインストラクターの資格だ。世間的なプロのイメージは、もう1つのほうのツアープロ、レギュラーツアーに参戦する「トーナメントプレイヤー(TP)」だろう。
PGAの定款には男女の区別はない
女性のティーチングプロというと、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の会員、というのがこれまでは普通だったのだが、どうしてPGAのテストを受けるのだろうか。
倉本昌弘PGA会長は「PGAの定款には、元々男女の区別がなかった。受験したいという人がいれば拒めない」と説明する。
PGAは、現在のレギュラーツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)と1999年に分かれるまで、男子ツアーを主管していた。ツアープロ、ティーチングプロとも、プロゴルファーとして男性が所属するのがPGA、女性が所属するのがLPGA、というのが、ゴルフ界の常識と言えば常識だった。
PGAが「女性会員の受け入れ」をあらためて確認したのが、今年1月の理事会だった。PGAには約5600人の会員がいるが、すべて男性。しかも、日本中どこもそうであるように、会員が高齢化している。新規会員、若い会員が入ってこられるような環境にしなければじり貧になって行くのは、PGAに限らず、どんな組織、企業でも課題だろう。PGAにとっては「女性への門戸開放」は、1つの方策でもある。
「女性でもPGAの会員になることができる」というのは、これまでも定款上は可能だったが、「暗黙の了解」というか、「暗黙のすみわけ」というか、男性はPGA、女性はLPGA、と、プロゴルファーになりたい人は思っていた。
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