ここからは、わかりやすくするために時系列で説明します。“はじめにカラーありき”ということで、流行が作られるベースは、色の選定から始まります。“○○年春夏/秋冬の流行色はこんな感じ”というのが、コレクションが発表される約1年半も前に決まります。それを公表しているのは、「国際流行色委員会」(インターカラー: INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR)という国際的組織です。
その情報を踏まえ、トレンドを発信する会社が“○○年春夏/秋冬のトレンドはこんな感じ”というものを発表します。これは、コレクションが発表される約1年前です。
それらの情報を取り込み、また独自の解釈やクリエーティビティを加え、各生地メーカーが、“○○年春夏/秋冬のトレンド(色、柄、素材)生地はこんな感じ”を発表します。新しい生地は、見本市(有名なものは、フランスで行われる「プルミエール・ヴィジョン」など)で展示され、この展示会はコレクションの半年前に開催されます。そして、“○○年春夏/秋冬の生地”が一般のアパレルメーカーの手に渡るわけです。
コレクションによって、トレンドは花開く
新作の生地は、各ブランドのデザイナーやデザインチームのクリエーティビティにより、“○○ブランドの○○年春夏/秋冬コレクション”の服として新たな生命を得ます。加えて、各ブランドはシーズンテーマにあわせて、独自に生地をデザイン開発することも多々あります。
この時点の服には、色や柄、素材やデザインのあらゆるトレンドが盛り込まれています。そして、ファッションショーという場で発表されます。これが、実際に店頭で売られる約半年前に行われる、パリコレやミラコレと呼ばれるものです。
その後、発表されたコレクションの服は、展示会などのセールス期間を経て、実際の商品として生産→輸送され、約半年後から店頭に並び始めます。ざっくりですが、トレンドが生まれてから消費されるまでの流れをおわかりいただけたでしょうか?
こういう経緯で作られているので、それぞれのブランドが発信するコレクションが、色や素材、柄など、共通点が多くても不思議ではないのです。そして、トレンドという切り口でまとめてわかりやすく読者に提供するのが、メディア媒体なのです。もちろん、記事に携わっているのは、長年、コレクションや業界の流れをご存じのベテラン編集者さんですから、トレンドの流れには精通しており、記事に説得力があるのもうなずけますよね。
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