「ちょうどわれわれも、これからファッションの分野に力を入れようと考えていたんです!」
初めて私が『東洋経済オンライン』の門をたたいた日に、偶然か必然か、佐々木編集長の口からこの言葉をお伺いしてから、はや数カ月。とうとう日の目を見ることになりました……。
あらためまして、皆さん、こんにちは! これから、“ラグジュアリービジネス”や“モード”を切り口に、ファッション業界の連載コラムをお届けすることになりました、マディソン・ナオヨです。
読者の方が、どれくらいファッションビジネスやラグジュアリーブランドにご興味をお持ちなのか、正直なところ未知数ですが、メディアからはなかなか伝わらない、業界の仕組みや裏側をお伝えできればと思います。
と、その前に、いったい私は何者なのか?
疑問に思われる方もいらっしゃると思いますので、どういう経緯で今の仕事をしているのか、お話したいと思います。と言っても、グローバルエリートでおなじみの人気コラムニスト、ムーギー氏のように華々しい経歴があるわけではありません。むしろ、身近なキャリアパスとして、こんな道もあるのか、という程度にお読みいただければ幸いです。
ファッション人生、キャリアのスタート
私のキャリアの出発点は、大手総合商社の繊維本部でした。入社後の配属先は、ヨーロッパブランド(主にイタリア、フランスとイギリスも少々)を扱う、生粋のインポート部隊。
当時は、ファーストリテイリングやファイブフォックスなど、国産アパレルのOEMビジネスが凌駕する時代で、社内のインポートビジネスは縮小の一途をたどっていました。そんな中で、高級インポートブランド、もっと正確に言うと、コレクションブランドを担当できたことが、その後のキャリアを大きく方向づけることになりました。
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