激変する、大人女子の「モテ」感覚 草食系に見えて、中身は「雌」?

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「モテ服」、「モテメーク」、「モテアイテム」――。長く女性誌の定番であったモテ企画が、近年すっかり下火になっている。そんな“非モテ”時代に、暑苦しいほどにモテ企画を展開するのが、主婦と生活社の女性誌『arだ。
 「ニーズがなくなったのではない。その方向性が変わったのだ」と、『ar』の笹沼彩子編集長は語る。女子のモテ感は、近年どのように変化しているのか。企業は、そこにどんな商機を見いだせるのか。笹沼編集長に聞いた。
『ar』の笹沼彩子編集長

――昨年11月に誌面を大きくリニューアルされて、部数は以前の1.3倍に伸びたそうですね。そもそも、リニューアルに至った理由はなんだったのでしょうか。部数が落ちてきていたとか。

部数自体は、リニューアル直前もそこそこ、悪くはなかったのです。ただ、『ar』をもう少し世の中で目立つ雑誌にしたいという気持ちがありました。これまでも固定ファンは一定数いましたが、もうひとつ抜きん出て、新しい読者や広告クライアントを獲得していきたいと。

そこで、「雌(めす)ガール」というキーワードを新たに打ち立てて、ファッションも、メークも、そのテーマに向かって提案して行こうと決めたのです。

――「雌ガール」というのは、なかなかインパクトの強い言葉ですね。

編集部でワイワイ話しているときに、ぽっと出てきた言葉なのです。今の女性は、いいと思ったものをなんでも「かわいい~」と表現しますよね。その「かわいい」はもちろん尊重しますけれど、『ar』のコア読者は20代後半。もう大人なので、女性ならではの特性もエンジョイしてもらいたい。そんな思いを込めたフレーズです。

そもそも、女性は全員、“雌”の感性を持っています。「雌ガール」は決して特殊な女性を指しているのではありません。肉食女子でもなく、女子会ばっかりやっている女子でもない。男子でいう、「ロールキャベツ男子」みたいな感じでしょうか。見た目はカジュアルだけど、中身は意外とたぎっている、みたいな(笑)。

――肉食女子とは、また違うのですね。混同されませんか?

けっこう混同されます。ただ、「この雑誌、なんだろう?」と気づいてもらって、手に取ってもらうことが、なにより重要です。中を見てみたら、自分の気持ちに意外とフィットするな、と思ってくださることが狙いです。

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