――昨年11月に誌面を大きくリニューアルされて、部数は以前の1.3倍に伸びたそうですね。そもそも、リニューアルに至った理由はなんだったのでしょうか。部数が落ちてきていたとか。
部数自体は、リニューアル直前もそこそこ、悪くはなかったのです。ただ、『ar』をもう少し世の中で目立つ雑誌にしたいという気持ちがありました。これまでも固定ファンは一定数いましたが、もうひとつ抜きん出て、新しい読者や広告クライアントを獲得していきたいと。
そこで、「雌(めす)ガール」というキーワードを新たに打ち立てて、ファッションも、メークも、そのテーマに向かって提案して行こうと決めたのです。
――「雌ガール」というのは、なかなかインパクトの強い言葉ですね。
編集部でワイワイ話しているときに、ぽっと出てきた言葉なのです。今の女性は、いいと思ったものをなんでも「かわいい~」と表現しますよね。その「かわいい」はもちろん尊重しますけれど、『ar』のコア読者は20代後半。もう大人なので、女性ならではの特性もエンジョイしてもらいたい。そんな思いを込めたフレーズです。
そもそも、女性は全員、“雌”の感性を持っています。「雌ガール」は決して特殊な女性を指しているのではありません。肉食女子でもなく、女子会ばっかりやっている女子でもない。男子でいう、「ロールキャベツ男子」みたいな感じでしょうか。見た目はカジュアルだけど、中身は意外とたぎっている、みたいな(笑)。
――肉食女子とは、また違うのですね。混同されませんか?
けっこう混同されます。ただ、「この雑誌、なんだろう?」と気づいてもらって、手に取ってもらうことが、なにより重要です。中を見てみたら、自分の気持ちに意外とフィットするな、と思ってくださることが狙いです。
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