前回の記事の余談から……。今、私は『もし草食系のオジサンが(何々)を読んだら』という本を書こうと妄想中。これは大ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の二番煎じ、いえ、立派な続編のつもりです。
しかし、肝心の(何々)の妙案が思いつきません。その一方で、草食系のオジサンは「婚活中」ということにしました。結婚という感動のフィナーレを設定できるからです。これを私の友人B君に話したところ、予想もしない反応が次のように返ってきたのです。
「てかさ、そもそも婚活って変じゃねぇ?」。その瞬間、ある本のタイトルがヒラメキました。それは、『やっぱり変だよ、日本の営業』(宋文洲著、日経ビジネス人文庫)。
ということで、今回は「やっぱり変だよ、日本の婚活」がテーマです。婚活が抱える矛盾を、私は宋先生のように鋭く指摘できるでしょうか。ご判断はみなさんに委ねたいと思います、とつつましい前フリをかまして、本題に入ります。
「お見合いパーティー」とはいかなるものか?
「婚活」とは、社会学者の山田昌弘さんとジャーナリストの白河桃子さんが2008年に提唱したコンセプトで、「独身者が、結婚を目標とした“さまざまな活動”を意識的に行うこと」を意味します(『「婚活」症候群』(ディスカヴァー携書)山田昌弘さん著作部分より引用)。
では“さまざまな活動”とは、具体的に何をすることでしょうか。ある調査によると、1位は友人に紹介を頼むこと、2位が合コン・コンパ、3位がお見合いパーティです(2013年「明治安田生命福祉研究所」調べ)。
1位と2位は周知のこと。では、3位の「お見合いパーティ」とは、いったいいかなるものでしょうか。
お見合いパーティとは、婚活中の男女が集うパーティのこと。標準的なもので、男性の場合5000〜6000円くらい、女性は2000〜3000円ほどで20〜30人の同じ志を持つ(=結婚の意思のある)異性に出会えて、しかも全員と話ができる場です。ほかには“ありえない”貴重な存在と言えるでしょう。
がしかし、「やっぱり変だよ、日本の婚活」というテーマを掲げると、私はお見合いパーティを東の横綱に推挙せざるをえないのです。それはなぜかと問われれば、「回転ずし」があるからだ、と答えます。続いて「その心は?」と問われたら、参加者全員で“ありえない”ことを行うから、と答えましょう。
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